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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2011年2月 2日 (水)

マルチバイブレータの波形

2石無安定マルチバイブレータの発振周期は2ln2・CRとされることが多い。この計算の暗黙の前提は、コレクタ電圧がVcc~0まで変化し、ON時の値が0VでOFF側のトランジスタのコンデンサのベース電位初期値が-Vcc、充電電圧がVcc、OFF側のベース電流は0である。

この結果、発振の半周期は初期値-Vcc、+Vccでベース抵抗RBを介しCを一次遅れ系で充電し、再びベース電圧が0に達する時間として計算される。

1次遅れ系の過渡応答を計算するには、簡単な変数分離型の微分方程式を解かねばならない。

この回路の波形の第一の見どころは、当然、GND基準のベース電圧VBの変化である。

OFFの期間中、ほぼ一次遅れ系の特性に従ってVB電圧が上昇する。ON期間はほぼ一定である。

ON期間中のVBEを見ると一見約0.6Vで平坦に見える。しかし、拡大してみるとON期間の前縁に60mV前後の電圧上昇期間が存在する。この期間は、ONに転流した直後、コンデンサCからの電流が通常時の約10倍流れる結果である。

先ほどのVBの観測では、初期値が-Vcc+VBEでON時の平たん部はVBE程度である。

これを考慮して、微分方程式を解きなおしても結果はさほど変わらない。

もうひとつの見どころは、コレクタ電圧波形である。コレクタがOFFになるとき、コレクタ抵抗RcとタイミングコンデンサCの時定数でコレクタ電圧は上昇して行く。設計にも依るが、この時間はRCの1/10-30程度である。従って、一次遅れ系の完全なステップ応答にはならない。

しかし、Cの誤差は数%あるので、この辺の細かい事情は簡単には測定にかかってこない。結果オーライである。

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