アナログ信号絶縁法
対地電位の異なる回路ブロック間では何らかの手段で、異なる電位を基準ラインとする信号を伝送する必要が生じる。
この回路機能はアイソレータあるいは絶縁アンプなどと呼ばれる。
200Vの同相電圧に埋もれた例えば1V以下の信号を主回路のGND基準の信号に変換する方法の一つに、加減算器を改良したOPアンプ回路がある。この手法では、分圧抵抗でOPアンプが扱えるレベルに減衰させ、再び増幅、差を取る手法だ。補助電源が不要だが、素子感度が高いので、極めて高精度の5個の抵抗群と優秀なOPアンプが必要だ。
トランスを使った絶縁アンプでは、変調を掛け元信号を復調する手段があり、種々の回路方式が実用化されている。多くの場合、絶縁された電源も同時に必要になる。
微小なキャパシタを介し、変復調を行う方式も実用化されている。
光絶縁は高電圧絶縁が可能だが、双極性信号化するにはオフセットをかけ、振幅変調は使いにくいので、例えばV-Fコンバータで周波数の変化として絶縁信号を送る。
いずれにしても、アナログ信号を絶縁するには途中に電気以外の要素に一度変換する必要がある。この過程において、種々の外乱、非線形性が入る可能性があるので、回路としては案外難しい。
注意しなければならない事項の一つに、寄生容量による結合があり、絶縁アンプと称しても商用周波数程度までしか十分な性能を発揮しないものも存在する。
信号絶縁はアナログ回路のなかでは比較的難しい回路の一つであるとアナログエンジニアは考えている。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】
« 極端な昇降圧比の変圧器 | トップページ | エンハンスメント形素子 »
「電子回路」カテゴリの記事
- 電流増幅器(2012.04.18)
- 高電圧回路(2012.04.10)
- 金属箔抵抗(2012.04.07)
- SW電源(2012.04.06)
- アナログ回路の信頼性(2012.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント