200V級可変電圧源
オペアンプとトランジスタ、抵抗、ダイオードとコンデンサ少々の部品で、結構精密な電圧制御可変電圧源は作れる。ただし、負荷抵抗に依存してダイナミックレンジは大幅に変化する。
オペアンプに抵抗を介してエミッタ接地npnトランジスタのベースを接続し、トランジスタのコレクタ負荷を必要な電源に接続するのだ。一段、リニアインバータが入るので、この接続ではIC化オペアンプの+端子に帰還する。後は、通常の反転オペアンプ回路と同じ、と言いたいところだが、安全策が2つ必要だ。
①オペアンプ単体で扱える電圧の10倍以上が出力されるので、帰還抵抗を介して過電圧がかかる可能性がある。過電圧の極性が判っているので、オペアンプの+端子とGND間に順方向に小信号用ダイオードを挿入する。
②オペアンプ出力が負方向に振れた時、トランジスタのB-E間降伏が生じ、経年的にhFE低下が生じうるので、トランジスタのB-E間にも小信号用ダイオードを挿入する。
この対策により、簡単に200V級電圧制御可変電圧源を構成できる。
エミッタ接地トランジスタにより、電圧利得が増え位相回転が増すので、発振防止にトランジスタのC-B間、および帰還抵抗に並列に適度な容量も必要になる。
もう一工夫すると、完全に0出力も可能な回路にもなる。
制約が少なければ、残った設計の自由度を部品数の節約に回すことができる。
こんな回路でも、結構使い道はあるのだ。
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