電流測定ミス
昨日、 小信号npnトランジスタの低電圧領域のVCE-IC曲線を故あって測定した。
図はその結果である。横軸は(V),縦軸は(mA)。
実はこのデータを得るため、一度やり直している。ベース電流は固定抵抗と15V可変電源で制御して簡単に一定にできるが、コレクタ電流の測定にデジタルマルチメータの電流レンジを使った。この電流レンジの電圧降下が意外に大きかった(100μV/μA)なので、最大0.12Vの誤差がある。しかも、直接のC-E間電圧の測定を忘れた。
気付いたきっかけはhFE不足で、以前測定した時(夏)にはこの程度の条件で約200あったが、冬場を勘案しても低すぎた。記憶では0.3V以下で電流平坦となった筈。
電流測定時には、電流挿入時の電圧降下を意識しなければならないのだが・・・。0-10V可変電源を無理に使ったことが遠因である。設定性が不足しているので、ゲイン0.1倍のアンプを作れば良かったのだが、これも手を抜いた。
何がともあれ、VCE=0.2V位から、コレクタ電流平坦部のあるS字カーブが得られた。
私はアナログメータでは電流計の抵抗は常に意識するが、デジタル計器ではどうもこのことを失念しやすいようだ。本当は最小電圧レンジのフルスケール電圧程度は覚悟して当然なのだ。
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コメント
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呼吸発電さん こんにちは
多くのデジタル電圧計は入力抵抗が10MΩですが、電流計の内部電圧降下は様々です。(およその目安は、フルスケールで最小電圧レンジ程度)
発電電力となると、適当な負荷を接続し2乗平均をとるなどの工夫が必要です。1Wクラスの不規則なAC電力を測るには電圧と電流の乗算が行える機器が欲しくなります。
投稿: 5513 | 2011年3月 9日 (水) 16時43分