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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2011年3月 4日 (金)

トランジスタの静特性

ベース電流をパラメーターとしたVCE-IC曲線はどのように採られているのだろうか?

接合温度一定のデータか、周囲温度一定のデータか、それともカーブトレーサでのデータなのか、よくわからない。

アナログエンジニアの欲しいデータは、接合温度一定の特性曲線であることが多い。

接合温度一定のデータは、トランジスタの2次的特性を率直に表現するだろう、との視点からである。

そこで、自分がVCE-IC曲線を実測するときには、ベース電流を固定しておき、VCEを投入した直後のコレクタ電流を読み、すぐ電源を落とし、データをノートに記載する。そして数10秒後次の点を取得する。いわば、パルス測定のまねごとだ。

小信号用トランジスタの場合、許容電力は数100mWであるから、約2mWで1℃接合温度が上昇する。hFEの温度係数は大略1%/℃である。従って、接合温度が高くなる高電圧側で特性曲線が上に曲がりやすい。

また、能動負荷回路などでは、アーリー電圧を知りたいこともある。このようなときには、あらかじめ、VCE-IC曲線が直線部として得られる電圧、電流の組み合わせを調べておき、手早く必要な3組のデータを取得すると、ほぼ3組のデータを外挿すると一点で交わる。

その他、低電圧の飽和領域での特性図も、十分な表現力がない場合が多いので、サンプル実測をする。

パワーFETなどでは「パルス測定」の記述がある特性図も見かける。こんな時には、気持ちが休まる。

トランジスタの静特性のデータは基本的であるが故に、新しい素子を使うたびに実測してみるのが、アナログエンジニア流である。こんな基本的なこと回路設計者でやっている人は少数派だろう。

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