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2011年4月19日 (火)

ダイオード基礎1

電子回路で初めて扱う半導体素子はおそらくダイオードであろう。

pn接合1個を持つ非線形な素子を含む回路をどのようにして解くか、の技法も半導体物理の初歩と同時に学ぶ必要がある。

pn接合の順電圧Vjと順電流Ij特性は Ij=Is・{exp(Vj/mVT)-1} (Is:飽和電流、m:エミッション係数 VT:熱電圧kT/q k:ボルツマン定数、 T:絶対温度 q:素電荷 常温でVT≒26mV)で表わされる。

しかし、このモデル式では電圧源、抵抗、ダイオードの直列回路でも解析的に解くのは難しい。そこで、非線形方程式を線形化して簡略計算を行うのが常である。

小信号シリコンダイオードのVj-Ij特性を広い電流範囲で実測し、電流片対数グラフ上に描くと、数桁にわたり直線部を観測できる。この直線部はVj=0.2~0.8Vくらいの領域で、Ij=Is・exp(Vj/mVT)の式で表現できることを示している。半導体物理に深入りしなければ、このグラフが元体験となる。もちろん、このプロセスにおいて、自然対数と常用対数の底の相互変換の数学素養が必要になる。

方眼グラフに描くと、グラフの電流尺度にも依存するが、Vj=0.5-0.7Vで急峻に電流が立ち上がる特性図が得られる。電流が1桁増すたびに、電圧は60-120mV増加するグラフと多くの場合なるだろう。

扱う電圧が大きければ、ダイオードは順方向には電流を通し、逆方向には電流を流さない2端子素子として扱うことができる。計算上は、順方向(短絡)と仮定し回路を解き、電流の向きが順方向であればその結果を採用、逆方向であればダイオードのところで開放として再計算する。

扱う電圧が10数Vなら、シリコンダイオードの順方向電圧は1Vに満たない場合が多いから、順電圧Vjを0.7V程度と仮定して同様に回路方程式を解いていく。

着目する電圧がVTに比べて十分大きくない場合には、Vj-Ijグラフの接線を求め、ダイオードの順方向特性をを電圧源と抵抗で表現して行く。結果は動作抵抗r=mVT/Ij、電圧軸切片Vj0=Vj-mVTなる直線となる。(区分折れ線近似)

シリコンダイオードの順電圧を固定的に考えることは、精密アナログ回路では不毛であろう。

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