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2011年4月27日 (水)

電流増幅率hFE

バイポーラトランジスタの電流増幅率はベース・エミッタ電圧とともに、トランジスタ回路を設計するうえで重要な特性である。直流的な電流増幅率hFEはコレクタ電流IC/ベース電流IB であるが、ばらつきや温度変化およびコレクタ電流依存性、コレクタ電圧依存性がある。

小信号用トランジスタの多くは、よく使う電流領域ではコレクタ電流の増加とともにhFEが増え、SWなどで使用する大電流領域ではhFEは最大値を超えて急激に減少する。

低電流領域では、pn接合内の再結合中心のため、hFEが減少するものが多いが、最近では使用電流領域でコレクタ電流の増加とともに逆に緩やかにhFEが減少するものもある。

半導体プロセスの高度化に伴い、hFEランクのある品種でも選別ではなく余裕を持って作り分けられている感じである。数10個のトランジスタのhFEの分布を実測すると、選別の痕跡である分布の型がどのランク品も類似しているケースもある。

hFEは温度変化100℃幅で約2倍異なる。温度の上昇に伴い増加する方向だ。実使用電流がカタログ記載の条件と異なると電流10倍の違いで、2-3割変化することもある。ランクの幅は2倍程度のものが多い。コレクタ電圧依存性は、アーリー電圧が100V前後のものが多いから、使用コレクタ電圧に依存して10Vあたり1割前後変わる。

では、設計的にはどう対処するか? アナログエンジニアはふつう電流・電圧で補正したうえでhFEを定数として簡略化して扱うとともに、想定する環境条件の変動も含め、大きなhFEの違いでも問題なく動作するように設計上の工夫を行う。

バイポーラトランジスタにある2つの接合は降伏させるべきではないだろう。降伏させるとhFEが経年的に低下するとの文献もある。

hFEの変動に強い回路を目指すことは、トランジスタ回路の設計方針の重要項目の一つだろう。

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