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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2011年4月

2011年4月29日 (金)

家猫チャーの作戦

わが家の家猫チャー君は屋外への外出に強い情熱を持っている。もっとも、外に出たところでわが家の周りを巡回した後30分くらいで、屋内に戻ってくる。

これまでのパターンは玄関チャイムがなると、即座に居間のドアから2-3mのところに陣取り、飼い主がドアから離れて見せても、その態勢は解かない。さんざん、フェイントを兼ねて一旦ドアから離れ、再度、来客のためにドアが開くことを猫は知っているからだ。そして、居間のドアを少し開くと、隙間からダッシュして、玄関脇の階段に陣取る。こうなると、一人では脱出を阻止できない。

ここ、2-3日、居間の別のドアから来客のために玄関に出るようにしていた。

チャーはそこで猫なりに考えたらしい。玄関チャイムが鳴ると、キッチンの第二のドアの方に走って陣取る。普段のドアの方には目もくれない。そこで、飼い主は居間とキッチンの間の引き戸を閉める。それから、第一のドアから出て、すぐ閉めて玄関ドアを開けて来客の応接と相成る。これまでとは異なる行動だ。ここで2-3日での猫の作戦変更だ。

猫は引き戸は開けられるが、何秒かかかる。飼い主はそこが狙い目だ。

この新作戦は猫も飼い主も長くは続かないだろう。その時に猫はどの場所に陣取るか、興味がある。

飼い主としては、猫の陣取った場所に応じて、2つのドアを使い分けることになるだろう。その分飼い主としては猫の陣取った位置を考えて行動しなければならない。

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2011年4月28日 (木)

ダーリントン接続

ダーリントン接続は電流増幅率が非常におおきいトランジスタを合成する回路手段である。具体的には同極性のトランジスタQ1、Q2を用い、Q1、Q2のコレクタを共通接続し、Q1のエミッタをQ2のベースに接続した形である。

この接続により、Q1のベースが全体のベース、Q2のエミッタが全体のエミッタ、Q1、Q2のコレクタが全体のコレクタとなり、Q1、Q2のhFEの積の電流増幅率をもつ1個のトランジスタが得られる。

Q1は相対的に低い電流値で動作するので、一般には、データーシートのhFEよりかなり低い実効電流増幅率にはなるが、全体として見れば、1000を超えるhFEをもつトランジスタに見える。

ただし、hFEは大きくなるが、見かけ上のVBEは(VBE1+VBE2)となり、ダーリントン接続ではVBEが約2倍となり、飽和電圧はVBE2+(Q1の飽和電圧)となる。単体の飽和電圧:0.1~0.3Vに比べ、1V近い値となる。これがダーリントン接続に伴う負の側面である。特に、SW用途で使う場合には、ダイナミックレンジの減少に注意し、ON時の電力損失が5倍程度になる点を覚悟する必要がある。

この欠点を回避する手段として、エミッタ接地で使うなら、Q1のコレクタを切り離し、別電圧源に接続する方法がある。この接続だと、ON電圧を低く維持できるので、IC中ではよく使われる。しかし、単体トランジスタの場合、早いパルスを扱うときには、相対的に大きな、従って、速度の遅いQ2が、Q1の負荷として動作すると、Q1が全電力を負担する瞬間もあり得る。

共通コレクタなので、接合分離することなく、1個のトランジスタを作る半導体プロセスでダーリントン接続を実現できる。IC化ダーリントントランジスタでは、Q1のB-E間やQ2のB-E間に抵抗を意図的に挿入したものも多くあり、このようなトランジスタでは、hFEの大きな電流依存性があり注意を要する。多くのダーリントン接続では、初段トランジスタを低電流密度で動作させるため、SW速度や高周波特性が単体ほどには良好でない筈だ。

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2011年4月27日 (水)

電流増幅率hFE

バイポーラトランジスタの電流増幅率はベース・エミッタ電圧とともに、トランジスタ回路を設計するうえで重要な特性である。直流的な電流増幅率hFEはコレクタ電流IC/ベース電流IB であるが、ばらつきや温度変化およびコレクタ電流依存性、コレクタ電圧依存性がある。

小信号用トランジスタの多くは、よく使う電流領域ではコレクタ電流の増加とともにhFEが増え、SWなどで使用する大電流領域ではhFEは最大値を超えて急激に減少する。

低電流領域では、pn接合内の再結合中心のため、hFEが減少するものが多いが、最近では使用電流領域でコレクタ電流の増加とともに逆に緩やかにhFEが減少するものもある。

半導体プロセスの高度化に伴い、hFEランクのある品種でも選別ではなく余裕を持って作り分けられている感じである。数10個のトランジスタのhFEの分布を実測すると、選別の痕跡である分布の型がどのランク品も類似しているケースもある。

hFEは温度変化100℃幅で約2倍異なる。温度の上昇に伴い増加する方向だ。実使用電流がカタログ記載の条件と異なると電流10倍の違いで、2-3割変化することもある。ランクの幅は2倍程度のものが多い。コレクタ電圧依存性は、アーリー電圧が100V前後のものが多いから、使用コレクタ電圧に依存して10Vあたり1割前後変わる。

では、設計的にはどう対処するか? アナログエンジニアはふつう電流・電圧で補正したうえでhFEを定数として簡略化して扱うとともに、想定する環境条件の変動も含め、大きなhFEの違いでも問題なく動作するように設計上の工夫を行う。

バイポーラトランジスタにある2つの接合は降伏させるべきではないだろう。降伏させるとhFEが経年的に低下するとの文献もある。

hFEの変動に強い回路を目指すことは、トランジスタ回路の設計方針の重要項目の一つだろう。

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2011年4月26日 (火)

トランジスタのモデル1

バイポーラトランジスタの回路モデルは属人性があるように思う。また、使う場面によって異なるだろう。シミュレータ用のトランジスタモデルはパラメータが30個以上あり、手解析には不向きである。

アナログエンジニアが多用するモデルは、B-E間に順ダイオード(エミッション係数1)、C-E間にベース電流をIBとして、IB*hFEの値をもつ定電流源を接続した単純なモデルである。hパラメータによるモデル化は基本的にしない。

ダイオード部の扱いは、IB=Is*exp(VBE/VT)   VT:熱電圧=kT/q である。

バイアス計算時などでは、VBE=0.6~0.7Vの固定値をつかう。電圧利得計算では区分折れ線近似(使用電流値におけるVBE-IB曲線の接線)で近似計算を行う。

電流増幅率hFEはコレクタ電流、コレクタ電圧、温度に依存し、ばらつきもあるが、基本的には固定値として扱うのが基本だ。その代わり、常にhFEのばらつきを考慮してその影響をチェックする習慣である。

このモデルは、ダイオードの扱い方との連続性があるとともに、エバース・モルモデルのサブセットとなっているので、より複雑なモデルへの橋渡しとなる。適用範囲はnpnトランジスタならIC>0、VCE>0の第一象限である。

わたしは、初心者を教えるときには、交流等価回路を好まない。1石エミッタ接地回路程度なら、「重ねの理」の理解を説明しているより、短時間で多くの情報を伝えることができるからだ。

そのかわり、ダイオード部の接線の引き方には十分な時間を割く。なぜなら、接線の傾斜=入力抵抗=VT/IBが電圧利得の計算時には必ず必要になる。トランジスタの入力抵抗を用いて電圧利得を計算するとき、入力抵抗が与えられるものとした教本がほとんどであるにも拘わらず、入力抵抗はカタログには記載されておらず、自分で計算するものであるからだ。

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2011年4月25日 (月)

エミッタフォロワの非線形性

エミッタフォロワ(コレクタ接地回路)の入出力特性は、入力ViからVBEだけ少ない出力Voが得られる。しかし、ベース・エミッタ間電圧VBEは出力電流の関数である。微小交流電圧入力を対象とすれば、1に近い低インピーダンスの出力が得られるが・・・・。

エミッタフォロワの非線形性は、エミッタ抵抗REを流れる電流IEと負荷電流Ioにより決まる。

大振幅動作の時、負荷電流Ioが無視できて、エミッタ抵抗の代わりに定電流回路を付加すると、大振幅動作でもエミッタ電流は変化しないので、一定のVBEかつベース電流が流れる。直流レベルシフトと入力バイアス電流のイメージに近い。

アナログエンジニアはエミッタフォロワを大振幅動作で使うことが多いので、このような動作イメージを強く持っている。

エミッタ電流がI1からI2へ変化するとき、VBEの変化ΔVBE=VT・ln(I2/I1)であるから、エミッタ電流の比の対数に比例する非線形性が生じる。 (VT:熱電圧≒26mV)

したがって、エミッタフォロワは直流・大振幅動作では使いにくい側面もあるのだ。スイッチング回路で、駆動能力を増す際には有効な手段であるが、それでも、出力振幅が狭くなる重い課題は残る。

エミッタフォロワの特徴として多くの本に書かれている「利得≒1」は直流を含めた場合には設計に役立つ情報にはならない。

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2011年4月22日 (金)

震度計

余震が続く。サンプル数が多くなると震度の分布パターンも頭に記憶される。

茨城南部のH市では、震源が北にあっても途中の市町村が低震度であっても、震度が1-2高く発表される。今日の新聞では発表の基準震度計が盛り土の地盤上に接地されていて、高い値が観測されやすいそうだ。

逆に、私の町は水戸の北側に位置し、全般的には地盤が良好なためか、震源が北にあっても水戸より震度は低く報道される傾向が強い。

今回の地震で揺れの大きさは、100m違えばかなり違うことを実感した。

ほぼ同一構造物である墓石の被災状況は、ほとんど被害なしから、ほとんど倒壊の場所も自分の市では見受けられる。

屋根の棟瓦の損壊はもっとサンプル数が多いので、面として認識できる。被災家屋は帯状に分布していたり、面上に分布している感が強い。地盤がかっての川?かっての沼などであった可能性を示唆するような分布だ。

近隣に30年前に沼を埋め立てた団地がある。家屋はそれを承知で地盤強化、基礎強化してある筈だろうから、沼でなかった部分と大差ないが、道路は今回の地震で凹凸がひどくなった場所の一つである。

実際の揺れの大きさ、厳しさは地震を受けた、個人的には自分が現にいる場所の地盤の状態に大きく依存することを実感した。逆に表現すると、報道される震度は目安であり、自分にとっての本当の震度は少なくとも報道より±1.5くらいは異なると考え、系統的に補正して自宅での実震度を考える必要があるだろう。

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2011年4月21日 (木)

没にした本の原稿

8割方書きあげた本の原稿、お蔵入りさせてもう2年になる。

実務書の体裁をとりながら、アナログ回路の基礎を学ぶスタイルの本とするつもりだった。しかし、読んでいただきたい読者層が見えてこない。それで、当面塩漬け。

定量的解析を行わない回路設計者はふつう基礎知識に欠落部分があり、しかもそれを意識していないことが多い。さらに言うなら、解析する目的意識も希薄なのだ。受身で読む本なら売れるかもしれないが、「設計」を目指すとなるとそれなりの訓練を要求せざるを得ない。そこが問題なのだ。

設計に際しては、アナログ回路を文字式のまま解くことは非常に有益であるが、多元連立方程式の規模が多くなるので、極力式の数を減らして目的を達成するように工夫する。少し複雑な解析だと何日もかかることもある。

通常、アナログエンジニアは基本的な回路から出発し次第に自由度を増やして解析して行く。おおいに予測をたてて、この回路で目的を達成するとすればどのような条件が必要なのかを様々な角度から検討して行く。

立式の際には、自分なりに回路の動作を言葉で辿り、それに合わせて式を立てて解く。常には解があるとは限らない。データが不足していることもある。それを乗り越えて、一つの結果を得れば、その式に従って戦略的に回路定数を決めていく。その過程で、別の角度からの解析結果も利用して行く。現状はこんな感じなのである。

当然素子モデルの絶え間ないチェックも必要である。

初学者のレベルから始めて広い分野で設計できるレベルまで、1冊の本で引き上げることは至難である。しかし、恩師が諭してくれたように、自分が学んだときの1/10の時間で読者が学べるような本にしなさいとの言葉は忘れてはいない。そして、今の若者がもっと手早く結果を得たいとの意識が強いことも承知している。設計を目指した初心者向けの回路本、存在しうるのか?

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2011年4月20日 (水)

ダイオード基礎2

ダイオードを含む回路で頻出するのは、整流・平滑回路である。定性的に説明するには良いが、実用レベルでコンデンサインプット平滑回路の出力電圧とリプル電圧を予測するのは数値計算か設計図表に頼ることになる解析の難しい回路である。

商用電源トランスを介し、ダイオード整流・平滑を行って電子機器用のDC電源を得る という課題を初学者に与えれば、ほとんどの方が不足電圧の設計をし、トランスの造り直しとなる。トランスの容量不足による過熱も生じやすい。

電源整流用のダイオードは、高い電流密度で使用される。具体的には、シリコン整流ダイオードで順電圧が3Vに達するような動作条件になることもある。電源整流ダイオードでは、pn接合特性で予測される電圧に加えて、電極からpn接合に至るチップ内での直列抵抗成分が大きく、その電圧降下は1Vを簡単に超える。しかも、その抵抗成分は大きな正の温度係数を持つのだ。

小容量の商用変圧器では1次側と2次側の銅線抵抗(電圧変動率hで代表される)も考慮しなければならない。

回路技術的には、定電圧近似したダイオードの順電圧と2つの抵抗(変圧器、ダイオード)が直列(r)になり、平滑コンデンサCと負荷RLの並列回路を駆動する形となる。電子機器では決して入力電圧の1.4倍が平滑出力になることはない。

では、どうするか。

一方法はO.H.Schadeによる設計図表から、rと負荷抵抗RL、CRLを与えて平均電圧とリプル電圧を求め、電圧の谷を求める手法だ。(多くの場合、後段に安定化電源回路を付加するので、電圧の谷の値が問題になる。)

アナログエンジニアは電子機器で使われる条件を中心に種々の数値実験を行った。一つはO.H.Schadeの図表を入力電圧から谷電圧を求める図表に改めた。この過程で、電子機器で使われる定数の組み合わせが比較的狭い範囲にあることを利用し、数値実験式で表現できた。

私の使っている数値実験式は単相ブリッジ整流で、

公称電圧VN=0.805(Vo+2Vj+1.8Io・r)/(1+h) Vo:出力電圧の谷、Vj:pn接合の電圧降下、h:トランスの電圧変動率 C=0.5Io/(2fVrp) f:周波数 Io:出力電流 Vrp:リプル電圧 トランス容量VA=1.52VNIo である。単相センタータップの場合には最初の式の2VjがVjとなる。

電源整流平滑回路はトランスの取引慣習にも触れなければならないうえ、解析的に解けないので、私の著書では後半の方で記述することにしている。

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2011年4月19日 (火)

ダイオード基礎1

電子回路で初めて扱う半導体素子はおそらくダイオードであろう。

pn接合1個を持つ非線形な素子を含む回路をどのようにして解くか、の技法も半導体物理の初歩と同時に学ぶ必要がある。

pn接合の順電圧Vjと順電流Ij特性は Ij=Is・{exp(Vj/mVT)-1} (Is:飽和電流、m:エミッション係数 VT:熱電圧kT/q k:ボルツマン定数、 T:絶対温度 q:素電荷 常温でVT≒26mV)で表わされる。

しかし、このモデル式では電圧源、抵抗、ダイオードの直列回路でも解析的に解くのは難しい。そこで、非線形方程式を線形化して簡略計算を行うのが常である。

小信号シリコンダイオードのVj-Ij特性を広い電流範囲で実測し、電流片対数グラフ上に描くと、数桁にわたり直線部を観測できる。この直線部はVj=0.2~0.8Vくらいの領域で、Ij=Is・exp(Vj/mVT)の式で表現できることを示している。半導体物理に深入りしなければ、このグラフが元体験となる。もちろん、このプロセスにおいて、自然対数と常用対数の底の相互変換の数学素養が必要になる。

方眼グラフに描くと、グラフの電流尺度にも依存するが、Vj=0.5-0.7Vで急峻に電流が立ち上がる特性図が得られる。電流が1桁増すたびに、電圧は60-120mV増加するグラフと多くの場合なるだろう。

扱う電圧が大きければ、ダイオードは順方向には電流を通し、逆方向には電流を流さない2端子素子として扱うことができる。計算上は、順方向(短絡)と仮定し回路を解き、電流の向きが順方向であればその結果を採用、逆方向であればダイオードのところで開放として再計算する。

扱う電圧が10数Vなら、シリコンダイオードの順方向電圧は1Vに満たない場合が多いから、順電圧Vjを0.7V程度と仮定して同様に回路方程式を解いていく。

着目する電圧がVTに比べて十分大きくない場合には、Vj-Ijグラフの接線を求め、ダイオードの順方向特性をを電圧源と抵抗で表現して行く。結果は動作抵抗r=mVT/Ij、電圧軸切片Vj0=Vj-mVTなる直線となる。(区分折れ線近似)

シリコンダイオードの順電圧を固定的に考えることは、精密アナログ回路では不毛であろう。

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2011年4月18日 (月)

コンデンサ基礎

電子部品としてのコンデンサは絶縁物を間に2つの導体が向かい合った形をしている。コンデンサの容量Cは 平板コンデンサなら C=8.85KeS/d [pF] ,対向面積S[m^2] 電極間距離d{m」 比誘電率Ke である。

1mJを蓄積するために必要な体積(cc)はコンデンサの種類によって大きく異なり、アルミ電解で0.007、固体タンタルで0.03、セラコンで20、高誘電率系積層セラコン0.2、でポリプロピレンフィルムで1程度である。

原則として、極性のあるコンデンサは大容量のものが(μF単位)製作できるが、無極性のものは小容量(pF単位)しか作れない。

コンデンサのインピーダンスZを1/(jωC)、V=ZI j:虚数単位 として覚えれば、正弦波を入力して十分時間が経過した後の状態をキルヒホッフなどの法則を利用して計算できる。答えは複素数になるが、進み位相や遅れ位相の概念の導入がしやすくなる。

コンデンサの基本式は CV=Q C:容量、V:電圧 Q:電荷 であり、CV=∫Idtである。

コンデンサの電圧が電荷の積分であることと、インピーダンスが1/(jωC)であることの関連は、演算子法あるいはラプラス変換を学んだ時点で理解できる。正弦波を定常的に入力したときにのみ、1/(jωC)が使用できる。素養が不足しているなら、コンデンサのインピーダンスを1/(2πfC)として説明するしかないが、応用は利かない。

過渡応答を計算するには、CV=Q=∫Idtを避けては通れない。「微分方程式」となるのである。

どこまで電子回路基礎としてコンデンサを教えるかは、その時点での教える相手の素養に依存する。そして、教える内容に依存して解ける課題のレベルが変わってくる。電気を波としてとらえる必要のある高周波回路では、別次元の解法が必要になってくるのもその一つといえよう。

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2011年4月15日 (金)

立式の練習

文字式のまま入出力関係を求める。この作業は設計の第一段階である。もちろん、簡単な回路なら入出力関係式は回路集などに記載されていることもある。この段階を抜きにして、創造的回路設計者への道はないとアナログエンジニアは考えている。

使う法則は、直流回路ならオームの法則とキルヒホッフの電圧則と電流則だ。

文字式のまま解く際には、私の場合、+-を間違いやすいので、十分注意して解く。

オームの法則をV=RIとするなら電流の向きと電圧の向きを逆方向にとっていることに留意する。キルヒホッフの電流則は節点に流れ込む電流の総和=0が基本、実際の向きを気にしないで立式するのがよい。

キルヒホッフの電圧則は回路ループの2端子部品の電圧を、例えば右回りに一巡加算すると同一電位のところに戻ってくるので、その総和は0となる。2点間の電圧(電位差)が等しいことと同義であるから、異なる経路を辿った結果が等しいとおいても良い。電圧則は総てのループを含む形で立てていく。

簡単な回路でもすぐ10元程度の連立方程式になる。

少しでも未知数を減らしておくために、例えば3電流が流れ込む節点(ノード)なら

I1,I2、-(I1+I2)などとして、電流則を先取りしておくのも1法であろう。これを行えば、冗長な式の発生を防ぐ効果も期待できる。

回路は近接したノード間の関係は深く、遠いノード間では関係が薄いので、各方程式は比較的少ない未知数のみが含まれる形となる。

したがって、多くの回路屋さんは、掃き出し法で式を整理していく。

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設計式は自分で作るもの、できれば易しい回路から扱わせたいが実務ではなかなかそうはいかない。その時であった課題を解決できるまで何度でも類似の問題を解く必要がある。しかも、1回の解析に時間がかかる。正答は判らないが、今なら回路シミュレータがあるので、数値を代入すればチェックはできる。もっとも、慣れてくれば解の形のおよその見当がつくものである。

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2011年4月14日 (木)

回路解析から設計へ

今は春、大学での新たな講義も始まっている頃である。大学で学ぶ電子回路学は、ほとんどの場合ほんの入門であろう。大学で電子回路を学んだからといって、設計できる状態にはふつうならない。

アナログ電子回路は他の工学と同様、解析し設計式を自力で導き、解析的に解けない部分は数値計算(あるいはシミュレーション)により回路定数を設計する。

アナログ電子回路はデジタル電子回路に比べブラックボックス化のレベルが低いので、自然界との関連が深い。高校物理の知識は当然として、回路理論、半導体物理、電気計測、センサ工学、制御理論などの知識があるにこしたことはない。

多くの新人回路屋さんがまず出会う仕事は出来上がった回路の評価、検証であろう。この場面で結果を出せるには、与えられた回路を十分解析し、的を得た:目的を持った試験を行い整理されたデーターを取得する能力が必要である。

解析式は自分で導出するものである。解析の基本は電源を含む2端子素子を使ったキルヒホッフによる解析である。最近始めた「電子回路基礎」カテゴリーのエントリーで、この解析への準備を進めてきた。

実践に入ってしばらく経過すると、回路定数を変更するなどの設計的要素が仕事の中で増えてくる。早く実戦力になるには、自分が今できる検討を未知の課題としてさまざまな視点から実践することだ。そして、回路集など基本回路の習熟も大切である。

アナログ回路開発はふつう3カ月以上かかる。場合によっては年単位の仕事となることもある。比較的小規模の回路でも、大学の講義時間をはるかに超える。

この時間をどのようにしてアクティブに過ごすかが重要である。

ベテランでも時には、基礎概念の再チェックも必要だろう。個別部品で組むアナログ回路は、いまだ個人で見渡せる世界の範囲にある。別の言い方をするなら、個人の力量がもろに現れる技術分野であると思う。

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2011年4月13日 (水)

INESレベル7

国際原子力事象評価尺度の暫定評価がレベル5から7へようやく引き上げられた。

これまで原子力関係者からの反省の弁は「割り切り方が正しくなかった。」との程度のことしか、聞いていない。JCOの臨界事故がレベル4だから、それよりはるかに大きい事故であることは報道をまたなくとも、チェルノブイリに近いレベルだと理系人間なら誰も認識できていよう。

原子炉や燃料プールの冷却もできていない進行中の事故でありながら、東電のさまざまな救済策が報道されている。

しかし、中越地震の後、全電源喪失を防ぐための津波対策を進めていて、工事半ばであったものの、3台中2台の非常電源が確保でき大事に至らなかった原発もある。

津波対策をすかさず打ち出した電力会社や、当面、原発の運転を停止する電力会社も存在する。

「共済」策よりも、アナログエンジニアは「想定の見直し」と対策にまずお金を掛けるべきだと考えている。

この非常時に、そぞろ「政治的判断」と称する後追いの施策が提案されて来ているが、事故の反省対策がまず先だろう。現状では原発を総て停止させることは許されないだろうから、「作るため(推進)のための割り切り」から、1000年に一度であっても想定がいと切り捨てない発想を期待する。

福島第一原発の報道は、基本的に東電発表の後追い追認がほとんどである。そしてあたりさわりのない解説、御用学者ではその程度のことしか言えないのだろう。やっと保安院のスポークスマンが名無しの得体の知れない方から、役職・氏名が報道されるようになった。このことを見ても、異常さを感じる。

工学者といえども霞を食って生きているわけではない。しかし、自分のどこかには、守るべき職業倫理というものはあるべきだろう。

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2011年4月12日 (火)

余震

昨日の夕方から余震が多発した。私の地域では最大震度5。その後、震度3-4を含む余震の余震でひっきりなしに2時間ほど継続。じっとしているだけで、疲れてくる。

現地で避難生活を送っている方のストレスはいかばかりか、同情に耐えない。

この時間、雷雨も混ざり、何もないときでも窓が振動していた。瓦の破損は応急措置が済んでいたので、柏市からの業者のおかげで雨漏りの心配がなかったのがせめてもの幸いである。

東日本大震災に伴う原発事故のレベルはチェルノブイリ事故と同じ最悪のレベル7となるらしい。

今回の原発事故は人災の側面もあるから、東電は数兆円規模の賠償責任と廃炉処理の負担が生じることは避けられないだろう。また、福島第一発電所が全滅し、第二発電所が冷温停止できている設計上の差異も追及されなければならないだろう。

地震と原発事故の余波は様々なところにも影響してきている。

農作物、漁業への影響。

それに加えて、世界シェアの大きい分野の部品供給のストップで経済活動は臨戦状態だ。

私の町にも、自動車関連部品で世界的シェアをもつ工場が2つある。一つは、操業再開が7月になるという巷の話だ。その工場では、設備再開のための業者が駐車場が満杯になるほどの状況だという。

電力不足は少なくとも、福島第一の問題が落ち着かなければ、他の原発も再起動はされないだろう。

湯水のように電力を使ってきた生活からは、しばらくの間は節電が美徳となる。

それでも震災後1カ月、えり好みをしなければ、私の地域では生活が維持できる。幸せなことだ。

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2011年4月11日 (月)

原発報道に思う

毎日のように、福島第一原発や放射能に関する報道が流されているが玉石混合の情報だ。

海外機関などの報道では国内メディアよりも悪いシナリオを予想しているケースもある。

思い違いでなければ、福島第一原発に蓄積されている放射性物質の総量は一基当たり130万T(テラ)ベクレルから240万Tベクレルとされ、総計では1000万テラベクレルと推計されている。

T(テラ)はパソコンハードディスクの記憶容量1000GBで多少なじみがある。1000万Tは、その1000倍(ペタ:P)のさらに1000倍(エクサ:E)の10倍=10^19ベクレルとなる。

私が使ったこともない接頭語のとてつもなく大きい数値だ。そしてチェルノブイリ原発の数倍の量でもある。

そんな量と1000ベクレル/Kgの食品放射能とが同時並行的にセンセーショナルに報道されていることに違和感を覚える。

規模にもよるが、格納容器内で水素爆発があれば総量の%オーダーが放出されれば、人の住めない地域はさらに拡大するだろう。

国内メディアでは悪いシナリオはあまり具体的に示されてない。悪いシナリオを避けるための作業が報道されているのみ。

線量計で測れないほどの高レベル放射能を帯びた水が数万トンあり、何か作業するにはまずこの水を隔離しなければならない。格納容器内での水素爆発を防ぐための窒素ガス注入も行われている。これも意味はわかる。同時に格納容器、一部は封じ込め機能は損傷しているらしいから、電源復帰しても冷却系が漏れなく動作する保証はないだろう。

それでも高放射線量下で対応されている作業員の方々のおかげで、今は小康状態を保っている。政府・東電はもっと情報開示ができないものか。外部の人間にとって、実態はほとんどわからない。それだけに、判断に苦しむ。

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2011年4月 8日 (金)

電圧の表記

電圧は回路の2点を指示して決まる。電圧計の黒棒を接続した点を基準として、赤棒を接続した点の電圧(電位差)を測る。

VABなどと2点を指示した場合、B点を基準としたA点の電圧である。基準側を逆にしたVBAは VBA=-VABとなる。

電子回路では1点のみを指示して電圧を表記する場合も多い。この場合は、回路図上の接地マーク(GND,3本横棒、横棒+斜め線3本、▽マーク他)で示される回路の電位を基準として測った電圧を意味する。この時には、端子に数値(例えば15Vなど)と示される場合がある。

接地マークの中で、横3本(下に行くほど短い)は地面=地球が基準になっていることを示す目的で使われることもある。

電圧はB点を基準とするA点の電位であるから、途中に複数の回路要素があってもそれぞれの回路要素にかかる電圧を符号も含めて加算できる。2つの経路が存在するなら、どちらの経路を辿っても同じ値になる。(キルヒホッフの電圧則)ことも忘れてはならない。

実回路を図示する場合、なるべく電位の高い部位を上側に書くと見やすい図になるが、少し複雑な図では必ずしも見やすく書けるとは限らない。

アナログテスタではふつう負の電圧は表示できないので、接続を変えて正値となるようにして電圧を測定する。デジタルテスタでは正負の値を表示できるので、基準側となる点を黒棒にしてそのまま測定すればよい。

測定に際しては、電圧計を接続すると接続したことによる負荷効果で、測定値が低めにでる系統的誤差が生じるが、負荷効果については別エントリーで述べるつもりである。

抵抗の両端電圧を測ると、抵抗値が既知ならば電流の値と向きを知ることができることも忘れてはならない。

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2011年4月 7日 (木)

放射性物質拡散予測

気象庁の放射性物質拡散予測システム「SPEEDI」の予測結果が公表された。遅きに失する。

「防災計画」では「SPEEDI」を正式予測、異なる2つの予測結果を公表すれば、社会的混乱を生む、というのが非公表の理由らしい。

この理由づけには疑問を感じる。

複数の予測結果と後日の定点観測結果が出れば、どの(国の)計算コードがより信頼性が高いか一目瞭然である。これは、気象官僚にとって都合が悪いだろう。それでもちゃっかりと自分の計算コードを防災基本コードに組み入れ権益だけは確保しているのが現状なのか。

複数の結果があっても、社会は混乱しないだろう。厳しい目でどれがより信頼のおける予測化を見守るだけである。比較されて困るのは気象庁ではないか。

予測結果に自信があれば、観測点での実測データを元に、放射性物質の放出量を逆算できるはずである。それを元にして、放射性物質の総放出量の少なくともオーダーは判るはずである。

やっと公表された気象庁のデータは、放出源が1ベクレルの計算?らしい。どこかの地域で1兆分の1などと言われても困る。

気象庁は種々のデータを持っているのだから、観測結果から放出量の総量予測までやって欲しいものである。

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2011年4月 6日 (水)

線形2端子素子:抵抗

線形2端子素子としての抵抗は、その端子間にかかる電圧Vと流れの向き(電流)Iを逆向きにとった時、V=RIの関係がが成り立つ部品である。必要に応じ、R=V/IあるいはI=V/Rの形で使う。そして、オームの法則V=RIは、端子間の電圧・電流・抵抗の関係を示している式であり、どれが変数になるかは、問題の場面次第である。

Rが既知で電圧計があるなら、I=V/Rで電流計測が可能となる。

Iを一定にすれば、抵抗値はVを測定することによりRを直読できる。これが、デジタル式テスタの測定原理である。デジタルテスタの計測部分は電圧測定である。

一方、アナログ式テスタの場合には、電流計が心臓部なので、電池1個か2個を用い、抵抗を測定するからプローブを短絡させて(0Ωのとき)、電流計としてのフルスケールとなるようにゼロ規正して用い、大略抵抗の逆数の指示が得られ非線形目盛となる。

抵抗回路を扱う際、あくまでも2端子間でオームの法則を適用する必要がある。高校で物理を電気のところまで学ばなかった方の中には、電池と抵抗の組み合わせでしかオームの法則を考えない方も少なからず存在することを教授者は忘れてならない。小・中学校の理科では必ず電池と抵抗の組み合わせで出てくるので、オームの法則が抵抗の両端で成立することを納得しにくい場合もあるのだ。

オームの法則の適用に際しては、電圧・電流の向きを強く意識する必要がある。次の段階で電圧と電流向きを同じ向きにとらざるを得ないとき、V=-RIの式が使えるか否かが明暗を分ける。数値が入っているなら、Rは正値で、Vの向きとIの向きのいずれかが負値となるが、立式の段階では不明となる場合も少なくない。

なお、抵抗は常にエネルギーを消費するので、実際の電圧と電流の向きは逆向きであり、このことを電圧降下と呼ぶ人も多い。

電圧源、電流源、抵抗の話題が揃うと、いよいよ直流線形回路の解き方に話題を進めることになる。ここまでが回路学のイントロに相当する。

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2011年4月 5日 (火)

2端子部品としての電流源

回路解析における2端子素子としての電流源は、負荷に無関係に端子間電流を一定にする電源の1種である。電圧V-電流I軸上で、V軸に平行な特性をもつ。

表記は丸の中に矢印を入れたもの、丸を2個一部重ねた記号などを用いる。

電圧源と同様、端子間に掛っている電圧の向きと電流の向きが同じであれば、エネルギーの供給者であるが、逆ならエネルギーを消費している状態にある。

理想電圧源には2次電池のように実在するなじみの深い部品がそれと近い性質を持っているので受け入れやすいが、電流源には適当な比喩が見当たらない。それだけに、抵抗感の生じやすい要素である。

電流源は電源の一種で、端子間に接続される回路網にトータルとして電流Iを流す。通常は電子回路により実現される。電流Iが決まっていて、周辺回路により端子電圧が決まる要素である。

電流源の直列接続は許されない。2つの電流源を直列接続するとその接続点の電位がさだまらない。片方の電流源はIを流そうとし、片方の電流源はI'を流そうとして矛盾を生じる。

電流源は半導体増幅素子の出力特性に近い性質を持つので、半導体増幅素子の出力特性の表現には欠かせない。電流源を早期に導入しておくことは、その後に扱う半導体増幅素子のモデル化に大いに役に立つが、電流源を含む回路の扱いでは、演習も行いその理解を徹底しておくことが重要である。

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2011年4月 4日 (月)

線形2端子素子

電子回路解析で用いる線形2端子素子には、抵抗R、コンデンサC、インダクタンスLがある。

電子回路では、これに加えて理想的な電源:電圧源と定電流源を考える。

電圧源は、V(電圧)-I(電流)特性がI軸に平行な理想的なものを考える。すなわち、負荷電流を流しても電圧は変わらず、かつ電圧源から電流が流れだす方向にも、電圧源に電流を押しこむ方向にも電流を無制限に流すことのできる電圧源である。

直流電圧源は長い横棒(正)と、太く短い横棒(負)で表記する。電池マークと同じであるが、特記しない限り、回路図上では理想電圧源の表記である。

回路図上に1端子を記載し、数字あるいは文字を記入してある場合もあるが、その場合は、基準電位とその端子の間に電圧源が入る。

電圧源の向きは、太く短い横棒から長い横棒に向かって電圧源の向きを正と考える。電流の向きはどちら方向(流れ出す向き、流れ込む向き)にとっても良いが、ポテンシャル量である電圧の向きと、流れである電流の向きが同じであるときには、電圧源がエネルギーの供給者である。電圧源に対して電流が流れ込む場合には電圧源はエネルギーの消費者である。あくまでも、2端子間の電圧と電流で考える。

理想的な電圧源を考えたのだから、電圧源の短絡は許さない。電圧源同士の並列接続も短絡となるので許容しない。

ここで教授者/指導者が注意しなければならないのは、小学校で学んだ電池の接続方法である。電池同士の逆接続や電池を充電する方向に電流を流すことに抵抗感を持つ方も少なくない。電圧源はあくまでも理想化した電源である。

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4月になり新学期も始まったこともあり、また、基本に戻って回路を見直すことは初学者にとっても教授者にとっても有益である。しばらく、このシリーズを織り交ぜて更新をして行くつもりである。

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2011年4月 1日 (金)

直線性

英語の技術用語はlinearityで、直線性と呼称する。しかし、ふつう直線性99.9%などとは呼ばない。センサや計器などで、0%点と100%点を結んだ直線からの実際の出力の偏差=非直線性を直線性という場合も多い。(ターミナル・エンド)

海外では、no-linearityとして、もっとも誤差が小さくなる直線(best fit)をあてはめ、そこからの誤差をさす場合もある。同じ呼称の表記でも、最大2倍異なる値となりえるので性能比較の場合には注意が必要である。

非直線性はターミナル・エンド法では、0%と100%を結ぶ直線に対しての残差だから、入力(被測定量)Xに対し出力y=f(X)だから、正規化してX、Yの変域を0-1とすると2次項はX(X-1)の関数となる。X(X-1)は0次項を含まず、先に定めた原点と100%点を移動させないから、直交性が保たれている。50%でX(X-1)の誤差を0になるようにその係数を定める。3次の非直線性のみがある場合には、残差は50%点で点対称なS字形の残差が残る。

3次項はX(X-0.5)(X-1)の関数を付加して考える。0、50%、100%点で0となる関数なので、この項を付加しても、前に操作の効果を乱すことはない。

次の点は25%点または75%点となるが、ここではx(x-0.25)(X-0.5)(x-1)の4次式とX(X-0.25)(X-0.5)(X-0.75)(X-1)の5次式を選ぶと、前の補正結果を乱さない性質:直交性は保たれている。

この方法で直交性は保たれるが、収束性は厳密に証明できていない。利点は、残差の形と大きさで、高次項の大きさを速読できることである。また、多項式近似の近似次数を変えた時の高次項の不安定性も少ない。

アナログエンジニア我流の方法であるが、結構実用になった方法である。

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