回路動作を言葉で表現
小規模回路の解析をする前に、回路動作を自分なりの言葉で表現してみることは重要だ。また、回路が与えられるなら、その回路の機能が言葉で示されていると、主解析の目的が明白になる。
小規模回路なら、その動作をまず言葉で表現した後、表現された内容に従って式を立てる。そして、解析の目的である項目についての整理された式を得る。
この過程なくしては、公式丸暗記となってしまう。
小規模回路でも考える必要のある解析項目はいくつもある。増幅回路であれば、電圧利得や周波数特性、ダイナミックレンジなど多岐にわたる。動作可能となる前提条件も見落としてはならない。いくつかの項目の解析結果をもとに、定数を戦略的に決めていくことになるが、その過程の中では、部品の取りえる範囲と性能に係る知識も必要になる。
個別部品で作る回路は、部品の選択肢が広いがそれでも、取り得る定数の範囲の制約は生じる。集積回路となると、プロセスに強く依存するが、ダイオード・トランジスタは小面積で、抵抗は個別部品で作る回路に比べてはるかに狭い。コンデンサに至っては30pFでも、汎用OPアンプ回路チップの結構大きな面積を占める。
回路定数が決まったら、電力計算をして、部品の許容電力をチェックするルーティンワークが入る。
もっと大規模回路になれば、回路のブロック図で考えることも必要である。
私の場合、全く同じ条件での設計はほとんど経験したことがない。従って、「必要に応じて」必要な項目を解析することが重要となる。設計条件が異なれば制約事項も種々変化する。
受動的なものまね設計にはならない。
学校で習うのは通常、良くて解析方法の初歩だけである。あとは自分の感性に従って、大いに「ヤマ」を掛けて解析に挑戦し、設計情報を得ることになるのだ。
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