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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2011年5月17日 (火)

トランジスタの出力抵抗

バイポーラトランジスタの電流増幅率hFEはコレクタ-エミッタ間電圧VCEの影響を受け、電圧VCEの増加とともにhFEが増加する。この現象は電子的変化なので早い現象で、信号の変化とほぼ同時に起きる。

hFEのVCE依存性は、アーリー電圧VAの概念を用いると、広い電流範囲で次式のように簡単な式で表現できる。

hFE=hFE0・(1+VCE/VA) hFE0:VCE=0に外挿した電流増幅率

他の条件が同じなら、コレクタ電流ICの電圧変化は ΔIC/ΔVCE≒IC/VAとなる。

逆数を取れば、Z=ΔVCE/ΔIC≒VA/ICとなる。出力抵抗はコレクタ電流ICに反比例する。

現実的な数値をあてはめてみる。VA=100V、IC=1mAとすればZ=100kΩとなる。

1石エミッタ接地増幅器の場合、アーリー効果を考えない場合(アーリー効果なし)に対し、定電流源に並列にZが付加される形となるので、コレクタ負荷抵抗が5kΩなら、電圧増幅率の計算に対し、-5%の系統的誤差が付加される。

アーリー電圧VAはトランジスタの自己加熱が無視できる状態で複数のVCE-IC特性を取得すれば実測できるが、多くのデーターシートでは実験条件が明示されていないので、データーシートからだけではVAの値は明瞭でない。

エミッタ接地増幅器の電圧増幅率を誤差数%以下で予測するには、少なくともトランジスタの出力抵抗の影響を考慮しなければならない。

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