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2011年6月24日 (金)

L負荷の定電流回路

電流一定制御は電磁石を用いる装置・機器によく使われる。磁場は基本的に電流に比例するからだ。

静的に駆動するには(インダクタンスの抵抗成分×最大電流)の駆動能力があればよい。しかし、動的に定電流制御をするにはもう少し細かい検討が必要である。

方形波に近い交流定電流波形の発生にリニア回路を使うと著しく消費電力が増える。転流時には、V=LdI/dtで決まる電圧と抵抗成分での損失電圧が必要で、平坦部では抵抗損だけになる。そのため、転流時間を短縮するには、高い電圧が必要であるが、定常状態では低い電圧しか要しない。したがって、発熱・放熱が大きい。

この対策には、Hブリッジにより、インダクタンスエネルギーを小容量のコンデンサに回生し、高電圧に充電されたコンデンサの電圧を用いて、Hブリッジを元とは逆向きに流れるように4個の電子SWを操作する。100%回生できるわけではないので、回生中にSW電源を最大出力状態にすることにより不足分を補い、定常状態ではドロッパ式定電流回路で精密に電流を制御する。このハイブリッド方式は電磁流量計などで、実用され大きな効果をあげている。

インダクタンス負荷を鋸波で駆動する場合はもっと厳しい。許される帰線時間が回路の最大出力電圧を決める。しかも、負荷が追従できるスリュー時間より短いと駆動回路は飽和するから、飽和状態からの回復性能も問題になる。このようなケースでは、負荷と駆動回路がケーブルで接続されることが多いから、ケーブル容量が負荷と並列に入り、制御電流とインダクタンス電流が一致しなくなる。また、回路の安定性と整定時間の両立には工夫が必要である。

インダクタンス負荷の定電流回路はセンサや理化学機器では重要な要素であるが、系が3次以上になるので、動特性のチューニングの方策が難しのもまたいやらしい。

しかし、回路的に難しければ、それなりに設計法が生まれる余地があるのだ。

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