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2011年6月27日 (月)

感温金属抵抗

ふつうの抵抗器は温度係数のゼロを目標に製作されるが、一般の金属材料/金属合金は正の大きな(≒+40%/100℃)をもつ。ゼロ温度係数の抵抗材料にはマンガニンなどの名称が付いていることもある。

センサブリッジなどでは、その温度補償に感温抵抗器が必要になるが、一般に得られる抵抗値の範囲は低く、かつ狭い。

例えば、高精度ひずみ測定では、室温と他の温度点の2点でブリッジの平衡をとるゼロ点線形温度補償が行われる。

具体的には、金属箔ひずみゲージでは全抵抗値(多くは120Ω)の0.1%よりかなり小さい値まで補正する。従って、ゲージブリッジでは、直列に抵抗を挿入して、各辺の抵抗値を変えようとすると、100m~1mΩの非感温抵抗が必要になる。これでは現実的でないので、1辺の2つのゲージに同時に接続することにより、その差分が平衡に効くように構成する。

ブリッジに並列に接続する場合は、数100kΩから無限大までの抵抗が必要になるので、やはり2箇所に並列抵抗を挿入し、差分が平衡に影響するように構成するが、感温抵抗では実用性のない高抵抗群が必要になる。

センサのばらつきやその温度係数の補正では、現実に作りやすい抵抗範囲に収まるように2個以上の異なる場所に挿入することで、ゼロとゼロ温度変化および御精抵抗値の調整を行わなければならない。しかも、感温抵抗はセンサと同一温度環境にある必要がある。

最近では、温度を測りデジタル的に補正する手段も実用化されているが、補正量が大きいと必要な精度が得られないこともある。

抵抗はふつう感温抵抗となる。コイルやトランスなどでは銅の温度係数を利用して、抵抗測定により温度上昇を計測する場合もある。(抵抗法)

「補償」というとネガティブなイメージで捉えがちだが、センサの世界では通常の手段である。そして、温度補償の程度により価格は大きく変わる。多くの物理現象は温度依存であり、ばらつきがあると、実測に基づく補償が必要になってくる。

温度補償の前提には、センサの再現性が大前提で、再現性に乏しいと、温度補償での計算精度、測定精度に限界が生じる。

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