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2011年7月22日 (金)

ESRと誘電体吸収

理想コンデンサはCV=Q=∫idt (C:容量 V:電圧 Q:電荷 i:電流 t:時間)に従うが、実際のコンデンサの選択に際しては、その寄生素子や定格が問題となる。

ESR(等価直列抵抗)は理想コンデンサCに直列に寄生する抵抗成分rで、インピーダンス:周波数特性を両対数グラフに描いた時、高周波側で平坦部となる部分のインピーダンスである。コンデンサの電極から端子へ至る抵抗成分が主であり、rの値は0.1Ω程度のものが多い。

電解コンデンサでは、電解液の化学特性も影響して低温側で大きくなるとされている。

明瞭な平坦部が認められない品種もあり、直列寄生インダクタンスが寄与して、鋭いノッチ状になることもある。しかし、その深さはESRで決まると考えられる。

積分型AD変換器では比較的理想的なコンデンサ例えば箔電極フィルムコンデンサが使われるが、品種選定を誤ると、数サイクルから数10サイクル以上にわたり変換結果が過去の履歴を持つことがある。

この原因は、誘電体吸収と呼ばれる現象で、等価回路的には、理想Cに並列に長い時定数の抵抗Rpと容量C'の直列回路がCに並列に入る。コンデンサの端子を短時間短絡しても、その後、両端電圧は過去の印加電圧に応じ少し回復してくるのである。

セラミックコンデンサでは誘電体吸収が顕著に認められるものがある。

コンデンサの電圧、電流定格を守ることは第一歩であるが、次の段階ととしてESRや温度特性に十分注意を払って回路設計をしていく必要がある。また、積分型AD変換器で過去の測定履歴で精度が変わる場合にはコンデンサの誘電体吸収を疑う必要も生じる。

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すみません。最近ツイッターがなぜか読めなくなっています。

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