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2011年8月31日 (水)

原子力キャンペーン

工学は自然科学の範疇に入るのかいつも疑問を感じている。

そして、TVや新聞の原子力関連記事にも大きな疑問を感じている。

小出しにされる事故情報、原子力発電のコストの安さ等々。やらせ安全シンポジウムも多数。官側は事故の大きさに相当する責任を取っているとは思えない。

福島第一発電所で起きた一連の水素爆発、それ以前に大規模な燃料棒の損傷が起きていたことは容易に推測できる。報道の前に自分は確証した。

プラントの状態を計測する計装システムの作り方は、重要計測機器は容易に計測不能になることは普通ない。多重化された主要計器以外でも、推定するに足る補完的な情報を取得される筈だ。この辺りにも東電の情報操作を感じる。さもなくば計器配管などの損傷があったろう。

SPEEDと称される100億もかけた放射性物質飛散予測は長らく公表されることはなかった。

「原子力平和利用」は原発以外に何があるのか。原子力発電のコストにはそれらの研究開発に関連する費用も算入するべきだ。

高濃度放射性廃棄物の最終処理は実際に行ったのは1国のみで18億年前の地層に処分したらしい。地震国、火山国の日本では適地はないだろう。実際にできない最終処理のコストは算定できる筈がない。たまり続けるプルトニウムの処理も不確定要因を抱える。

福島原発事故の被害は無理に金額に換算すると数10兆円となるだろう。

虚構の中で作られた原子力安全神話に縛られて、安全対策をきちんと改善してこなかった付けがいま表面化した。

10km圏内にある東海第二発電所は暫定津波対策の行われた予備電源2機が助かり、対策が間に合わなかった1機は作動しなかった。予備電源が作動したということは商用電源断絶も生じていたのだろう。もし、この対策がされていなかったら、我が町も避難せざるを得ない状況になっていた可能性は少なからずある。

私は基本的に原子力反対派ではないが、今の組織、今の「原子力ムラ」の体質では原発の安全は担保できないと考えている。

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書くか書かないか迷っていたが、やっぱり書いた。9/1の新学期以降は普段のアナログエンジニアのBlogに戻るつもりだ。

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コメント

原子力は技術の問題ではなく、政治の問題になったからこんなおおきな問題になった。反対派を抑えるために「絶対安全」といわざるを得ず、そのために少しでも安全策を向上させようとすれば「じゃあ、今までは危険だったのか。」となる。そのため、より安全にする対策はとれないし、事故が起こったときの対策もとれない。事故が起こったときの対策をとると、「じゃあ、危険なんだね。」となる。純粋に技術的な観点からみれば、この世に「絶対安全」など存在しないのはあきらかだ。
さらに、利権がからむと事は複雑になる。高レベル廃棄物を何十万年も保存するなど、不可能だ。もし、それを計算に入れれば原子力のコストは非常に高くなり、原子力を断念せざるを得ない。しかし、今、数千億のビジネスがあるという状況では数字などいくらでも作るだろう。実際、おどろくことに、水力のコストが火力より高い試算があった。アルミ一次精錬は水力発電のコストの安い国に移転し、日本では滅亡した。利権がからむとなんでもありだ。

非国民さん、全くその通りと思います。問題は根深い。風力発電容量がいつも出せるとは限らない。近場の風力発電設備は風が弱くほとんど発電していないと聞く。

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