精密電子回路の天敵
微小信号を扱う電子回路では、スイッチングノイズは天敵である。通常は問題とならない対地電源ノイズはSW電源では意外に高いレベルにあり、かつ、周波数帯域も高くかつ広い。
OPアンプ回路を含め、多くの増幅器では内部にインバータ回路部/電源基準増幅を含むので、GNDや電源ラインを経由して混入してくる。
電源回路の後段にドロッパ式安定化回路を負荷するだけでも改良される。
ベストの対策は、商用電源にフィルタを付け、ドロッパ式の電源にするだけでノイズレベルが1桁改善されることもある。
OPアンプのCMRRは周波数依存性を持ち、高い周波数ではほとんどSWノイズが入力換算で素通りしてくると考えるべきである。
信号源と増幅器の距離が長いときには、磁界ノイズや静電誘導ノイズも多く混入する。
最高レベルの微小信号を扱う場合には、厳重なツイストシールドケーブルを使うが、機器の都合より優先させてセンサ-アンプ間の距離を極力短くすることもある。
商用周波数ノイズなら種々の対策手段があり、その一例としてはサンプリング時間を商用電源周期に合わせることも多く行われる。
積分型AD変換器ではサンプリング周期の1/nに対し、鋭いノッチフィルタ効果があり、全体的に見れば、サンプリング周期に対応する折れ点周波数に、前述のノッチが入った周波数特性が得られる。
アナログエンジニアはいくつかの回路的課題に対してこの方法で顕著な特性改善を行っている。
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