アマとしてのアナログ回路
電子計測器は個人あるいは学生にとっては高価なものである。
アナログエンジニアは学部3年の夏学期からアマとしてアナログ電子回路に手を染めた。
電子回路用電源も安くはなく、必須のアイテムなので自作した。使える計器はアナログテスタのみ。
自分用だから、仕様は欲張る。小容量低電圧のドロッパ式安定化電源は回路集そのままで先に作っていた。2個目は出力0-70V、3Aで自分で試行錯誤で設計した。0Vが出せると言うことは負の補助電源も必要だ。誤差増幅器も差動構成にしたので、当然発振も生じる。
回路集そのままで作るのと、回路定数と回路構成を自分で決めることの次元の違うことを思い知った。しかし、お金の制限、工具、計器もほとんどない中で半年がかりで完成にこぎつけることが出来た。いやと言うほどトラブルに途中であった。
次にやったのは、信号源となる1kHzの発振器の製作。ウィーンブリッジ方式でAGCは豆電球だったが、これは全くうまく動作しなかった。今になって考えれば、豆電球といっても、麦級クラスの電球でないと普通の設計では動作しないか、正弦波にならないことが判る。
2石シュミットトリガ回路は、学園祭の時初めて見よう見まねで製作しリレーを駆動したが、お偉い先生の式では現実に合わないことがわかり、さまざまな定数で自分流の設計式を得るまでになった。この経験のおかげで、公式にとらわれず、計算予測と実測値の比較を繰り返し、自己流の設計式を立式することの重要性を体得して、今に至った。
入社して間もない頃、指導してくれたT技師とは、計器の扱い方を学んだだけで見切りをつけ、本にもとらわれない自分流で技術を磨いた。一番参考になったのは、高価だが英文の名著だった。実際に作ったことのある人間が多大な時間をかけて著作したものだろう。読者層の厚い英語圏ではそのような本を作ることが容易なのだ。
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