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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2011年9月

2011年9月30日 (金)

反転加算器のオフセット

OPアンプを用いた反転加算器は加減算器よりも頻繁に私は使う。しかし、多入力加算と言っても、たかだか3入力程度だ。

昔のことだが一度だけ、10入力程度の加算器を設計したことがある。

多入力反転加算器では、オフセット電流が各入力抵抗と帰還抵抗に分流されるので、利得1の加算器ならオフセット電流の影響は1/(n+1)倍に軽減される。

同時に、オフセット電圧の影響は(n+1)倍に増加する。普通は数Vの高い電圧レベルでの演算が行われるので、オフセット電流、オフセット電圧が問題になるような設計にはならないが、上記の効果は知っておいて損はない。

反転加算器では、加算の基準点がゼロVなので、入力の開放はゼロ入力とみなされる。このことは、アナログSWをOFFにするだけで、そのチャネルの信号を遮断できるメリットがある。その代わり、多数の入力の一部が遮断されるため、オフセット電流やオフセット電圧の入力数の変動が表面化しやすい。

反転加算器はセンサ回路のゼロ調整にも使われるが、ゼロ調整とスパン(感度)調整の干渉を回避するには、ゼロ調整機構の前段は固定利得のアンプでなければならない。ゼロ調整の後段で可変利得にするのである。

加算器あるいは加減算器は便利なゼロ調整手段であるが、よほど工夫しないと正負両極性の信号を扱わなければならないので、単電源動作化には工夫が必要である。

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2011年9月29日 (木)

エンジニアとしての生い立ち

アナログエンジニアは光学機器メーカに最初に就職した後、別会社にほどなく転職した。

卒業時は、大学紛争の吹き荒れた年で5月の卒業、中途採用のようなもので、一度も新人教育は受けたことがない。

光学機器メーカーでは工具顕微鏡の光電センサを担当、転職後は当時華やかだった工業計器の設計に所属した。当時、技師だった方の指導を受ける形だったが、やり方が論理的ではなく半年で独立独歩の会社生活となった。

約10年間、差圧/圧力伝送器の回路設計もう少し具体的にはセンサとのインターフェースを含むセンサエレクトロニクスの分野だ。その間、特殊環境での液面計や圧力計も手掛け、時には電磁流量計も手伝った。

管理職になりたての頃、直属の上司に潰された。しばらく、会社を休んだ後、開発部門に回り、種々の機器のアナログ機器の失敗開発の再構築や、トラブル対策を数多く手掛けた。苦しかったが腕と度胸は付いた。また、どのような形で失敗設計が生じるかも良く理解するチャンスに恵まれた。幸い、検査部門やサービス部門それに研究所からはそれなりの評価を受けることができ、異分野の専門家と相手の言葉で技術課題を整理する自分なりの方法論を取得できた。

その後、企業内高専の電気工学科の教授として、別の職場に異動した。ここでの8年間で、種々の学科の先生方、他の科目を受け持つ同僚との会話を通じて、ある程度判る専門分野が広がった。

会社生活最後の8年間では、医療機器や電子顕微鏡の技術的にいやらしいところの解決の指導や、先手を打って、問題になりそうな設計の改良指導に勤しんだ。大いに検査部門や現場に感謝された。そして、独立して現在に至る。

アナログエンジニアの経歴はざっとこのようなものだが、技術屋にとって、設計者にとって自分の設計した製品が、あの○○さんの設計したものはほとんど壊れないとの評価は、大変励みになるものだった。

おかげで、精密アナログ回路/センサエレクトロニクスを広く深く経験できた。もう、悔いはない。それでもセンサ絡みの一部のみしか経験できていない。

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2011年9月28日 (水)

簡易DCサーボの定速運転

整流子付きDCサーボモーターの定速運転は比較的簡単にできる。

安直には、モーターを定電圧駆動するだけなのだ。軽負荷では、DCサーボモーターの回転数は印加電圧にほぼ比例するから、モーター電圧を一定に保つことにより、ほぼ定速運転が出来る。

もっと、定速運転精度を高めるには、電気子抵抗に相当する分だけ、電流に応じて印加電圧を上昇させる。

回路方式は種々あるが、昔のレコードプレイヤーの回転数制御といってもオープンループだが、そこそこの性能はでる。

そして、電流を計測すれば、トルクに対応した信号が得られる。この方法は、車のパワーウィンドウの挟み込み防止回路としても実用されているようだ。

DCサーボモーターでの定速度運転時には、モーターロック時に過電流が流れるから、モーターが焼損しないように電流リミッタを必要とする。

電圧と回転数が合わない時、モーターに直列抵抗を挿入してしまうと、準定トルク運転となるので、回転数は不安定になる。定速運転を期待する時には、簡単で良いから定電圧運転することだ。

DCモーターでは、トルクは電流比例、回転数は電圧比例にちかい。電気子抵抗は0回転時の電流から推測できる。ただし、DCサーボモータは短時間のモータロックしか許容しないことを忘れるべきではない。

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2011年9月27日 (火)

GND配線の引きまわし

アナログ回路でGND配線経路に迷う方は少なくない。デジタル回路出身の方はべたアースを頻繁に使い、配線長におもに注意を払う。

本来、電源線も電流のリターンパスとなるから、そのループを大きくしてはならない。理想的には総てのGNDを1点接地とし、±電源とGNDの作るループを最少化することだが、現実にはそのような配線は困難である。

一つの配線引きまわしの戦略に、梯形配線を行い、給電は後段の方から行う方法があり、アナログエンジニアはこの方法を多用している。

この理由は、初段に近いほど1ブロックの1点接地が容易であること、大きな回路電流がGNDラインを流れにくい、パスコンは1ブロックごとに挿入することが容易などである。

デジタルGNDなどはアナログGNDと別系統にして、干渉を避ける。しかし言うは易し、実行は妥協の産物となる。

電源系の配線の引きまわし次第で、アナログ回路の性能は大きく異なってくる。もちろん、電源系は太く短くのセオリーどうりにできる限り行う。

VFコンバータを含む回路などでは、その回路ブロックがノイズ源になることもある。その場合、必要に応じて電源系にLCフィルタを付加しそのブロックが他の精密アナログ回路に対する加害者にならないように配慮することも必要だ。

回路電流は一般に後段ほど大きい。それ故、梯形布線方式が現実的な解となりやすい。

私は、今でも、自動配線システムを信用していない。いまでも、必要な個所はランドとストリップ幅も含めて手仕事でレイアウトすることが多い。

べたアースは流れる電流の経路を制御しにくいので、めったにべたアースを使わない。

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2011年9月26日 (月)

オフセットトリム

通常、一個入り8pinのOPアンプなどでは、オフセット調整端子が外部に出ている。#1、#5ピンに指定の可変抵抗を接続し、+電源または-電源にその可変抵抗のタップを接続するのが普通だ。

アナログエンジニアはOPアンプをしばしば使うが、実は、オフセットトリミング端子を使用したことがアマチュア時代も含めて一度もない。

その理由とは、①オフセットトリムは可変抵抗が必要、②トリミングを行うには、ゼロ入力状態を作るため、少なくとも1個のスイッチか、トランスファー接点が必要、③チェック時にチェック用端子をOPアンプの出力とGNDに設ける必要がある。

この結果、回路パターンは複雑になり、部品追加の場所が必要であり、部品代そのもののコストも上昇する。実際には、組み立て調整要員の手間賃もかかる。

信頼性の面でも不利であろう。ドライ接点には普通、金メッキ接点を使うが、それでも信頼性は低下する方向だ。可変抵抗の温度特性の影響も内部回路に深く立ち入らなければ判然としない。

また、トリミングを実施すると、入力換算のオフセットドリフトの温度ドリフトが変化する。バイポーラトランジスタ入力のOPアンプなら、1℃当たりトリミング量の1/300程度の温度ドリフト特性の変化が生じうる。J-FET入力では、あまりはっきりしない。

このような訳で、オフセットトリムを行うくらいなら、もうワンレベル高い直流特性を持つOPアンプを選択する方が手っ取り早いのだ。

なお、回路記事中で、回路全体のゼロ点調整にオフセットトリム機能を使用した例を稀に見かけるが、このような回路ではオフセット電圧の温度ドリフトまで検証しておかなければ、再現性のある回路とは呼べないだろう。

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2011年9月23日 (金)

台風の傷跡

015台風15号は雨台風だったが、茨城にしては、かなり強い風が吹いた。

伊勢湾台風の時には、郷里では瞬間最大風速70mを記録したと記憶している。それで「茨城にしては」と表現した。

今回のわが家の被害は、小さな物置が倒れ、カーポートの屋根の一部が破損あるいは脱落した。

写真はアルミ製のカーポート(片屋根)の柱に新たに付いた、多分繰り返しの曲げモーメントを受けた傷跡。2本の柱のうち、そとにこのような傷跡がある。また、茨城にはめったに強い勢力のまま台風が通ることはないので、全般的に郷里のような台風対策はしていない。その結果の一部がこの模様である。

専門家であれば、この部材の傷跡から、柱がどのような力を受けたか、きっと計算できるだろう。残念ながら分野違いのアナログエンジニアにはその力はない。

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2011年9月21日 (水)

単眼鏡

単眼鏡は双眼鏡に比べ持ち運びやすい。

愛用しているのは、7倍、対物径15mmのダハプリズムを使い、対物と接眼レンズが一直線になっているタイプだ。見かけ視界は約45°と、この種のものとしては広い。ポケットに入れて持ち運べるので、観光旅行や近距離アーチェリーの着弾確認に良く使う。

倍率7倍は手持ちで見ることのできるちょうど良い倍率である。大きすぎる(10倍以上)倍率は手ぶれのため実用にならない。

見かけ視界が広いと、倍率の割に実視野が広いので目標を探しやすい。

ズーム式の単眼鏡を使ったこともあるが、迷光が多くコントラストが悪く本来期待する性能が出ていない。視野も狭い。高倍率側は手ぶれで使い物にならない。

アナログエンジニアは眼鏡をかけているので、接眼レンズから目の位置までの最大長さ:アイレリーフが適度に長いことも必要だ。アイレリーフが短いと接眼レンズに眼鏡が当たり、ますますぶれやすくなる。

愛用の単眼鏡は、きちんとした反射防止膜が付いているとともに、内部も迷光防止処理が行われているようで、逆光でもそこそこに見える。対物口径の理論分解能近くまで見えているのだろう。ただし、一般に出回っている単眼鏡の2倍以上の価格だが、それでも私の満足度は高い。

このような良質の小道具を手に入れ、しばしば使うとき、異業種のエンジニアの心意気を感じる。

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2011年9月20日 (火)

電池交換

アナログエンジニアは5気圧防水・高機能のストップウォッチを持っているが、最近、電池切れとなり表示も動作もしなくなった。

前回は、購入店へ持ち込んで交換したが、そのお店からメーカーへ返送、電池交換したが、3週間近く時間はかかり、交換費用も本体の約1/3、数1000¥と高額だった。

めったに雨の中で使う機会はないので、生活防水くらい、あるいは、雨の中で使って不調になれば捨てる覚悟なら、安物のストップウォッチで十分だ。

Oリングシールをやっている筈なので、裏ぶたの8本のM2.5くらいのねじに注目、縦横の順にねじを外していく。中を見ると、4本のねじで電池ケース兼SWキーが止めてある。裏ぶた側からは電池を外す構造にはなっていない。このねじを外すと+電源系の金属薄板が現れた。

あった! 電池を固定しているフックが見つかった。フックを外し、斜めから電池を挿入する構造だ。電池はリチウムCR2032のコイン型だ。この段階で、家電量販店へ行き、同じものを購入。電池交換、動作確認。この間約1h。

あとは、逆順に組み立てる。Oリングは新品同様でオイルが塗ってあった。このままで防水は問題ない。フランジのボルト締め要領で裏ぶたを閉じた。そして、プラスチックめねじであることを考慮して緩めにまし締めして完了。電池代はわずか200¥弱。

ふむ、ふむ、電池交換代が高額なのは、「メーカー返送」&Oリング交換?の手間賃か。それにしても、電池交換代が称する金額が高すぎる。これでは、一般人は安物のストップウォッチを使い捨てた方が良いのかも知れない。

ちなみにメーカーは日本、中国で製造、電池は国産品だ。

こんな製品、永続性があるのかなと思った次第である。

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2011年9月19日 (月)

近視に凸レンズ

若い頃は裸眼で∞から20cmまで見えた。水晶体は少なくとも1m/0.2m=5ディオプトリーの調節能力があった。

40代の頃には、遠くを見るときは凹レンズ、近くを見るときには眼鏡を外してちょうどよく見えていた。この頃なら、可変焦点レンズの選択肢もあっただろう。

それでも、学生を前にテキストと遠くの学生を同時に見ることはできなかった。

50代、パソコンのモニターは眼鏡なし&近視でちょうど距離があった。

最近、半田付けする機会があり、あまりにも見にくかったので、老眼鏡を作ることにした。本当は、20cmから40cmが見えるものが欲しかったのだが、その選択枝はなく、25cm~40cmのみで見えるレンズと相まった。

出来上がった眼鏡を装着すると、自分でもびっくりするほど鮮明に見えた、レンズの度は2D(ディオプトリ)程度だ。目の調節能力は1/0.25-1/0.4=1.5D程度、若い頃の調節能力と比べて1/3に低下している。

ちなみに、裸眼だと近点は50cmくらいで、明視の距離での細かい作業が出来るわけがない。

近視の人は歳とともに水晶体の弾力が低下、途中は眼鏡なしで近くが良く見えるが、その後凸レンズで近くを見ることになる。

遠点はこの10年ほとんど変化なく、もちろん凹レンズ+乱視補正の眼鏡を使っている。

水晶体の弾力が低下することの意味は、レンズとしての水晶体が力を抜いても厚みを増さないことを意味するようだ。

その結果、近距離では近視の方も凸レンズの老眼鏡が必要になってくるのだ。

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2011年9月18日 (日)

教え上手

アーチェリーの射は照準を定める押手と目と顎の位置(アンカー)引手の位置関係と両腕の力のバランスで各人のフォームが決まってくる。

基本は肩と腕の関節に力が垂直にかかるようにするのである。弓を引くのに楽なフォームは各人の体型と腕や背中の筋力で変わる。

もう一つの要因は、発射の瞬間(リリース)のブレである。中級者では、各自それなりの欠点を持ち、その修正に一生懸命練習するのである。

茨城のアーチェリー仲間にNさんとういう教え上手な方がいる。道具についても詳しく奥さんもアーチェリーをなさる。

各自の骨格、筋力や普段の練習時の射形を良く覚えていて、ときどき、ワンポイントアドバイスをくれる。それが、とても的確なのである。その指摘の多くは、すぐに実行でき結果が伴うものが多い。時には、本人の射形と理想形を実演してくれる。

この前は、私が著しく不調だったときくれたアドバイスは、複合弓(コンパウンドボウ)特性上の問題で、オーバードロウ(引きすぎ)により両腕に力が入り過ぎの一言だった。この一言で、散々暴れていた着弾が嘘のようにまとまり始めた。複合弓では、引き始めから急激に張力が増し、射の姿勢に入ると、ピーク張力の30%くらいに低下する。これより、ほんの少しだけ力を加えるのが理想である。設定した引き尺以上にはほとんど引けないので、そこから先は、押手と引手の引っ張りあいになるだけである。

気負い込めば力が入る。そうすると、リリース時の手の動きが不安定になる。アドバイスを貰った時気がついた。以前から自分は時々極端に乱れることがあった。自分の今後の練習課題である。

洋弓は当てるために、自分のフォーム=形を作りだす。弓道=和弓は形から入って、形に終わる。そんな気がしてならない。

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2011年9月16日 (金)

高同相電圧加減算器

例えば200Vの同相電圧の中で、1Vを直接検出する手段が回路的に存在する。

回路構成は、加減算器の負入力端子とGND間に1本の抵抗を挿入した形である。基本的には、それぞれの入力電圧を分圧して、OPアンプのダイナミックレンジ内に入るようにし、その電圧を再び増幅して総合利得を1にする。

正入力側の分圧比を20:1とすれば、200Vを扱ってもOPアンプの入力は10V以内で済む。

負入力端子とGND間に挿入した抵抗は中途半端な値となるうえに、素子感度が高くなるので、抵抗群の必要精度は高くOPアンプの直流性能も厳しく要求される。したがって、個別部品で組むには若干厳しい設計となるが、IC化されたものも入手可能である。

しかし、変圧器などを使わず直接的にハイサイドの電圧をGND基準の電圧に変換できるので、精密なハイサイド電流検出には便利な回路である。

アナログエンジニアはこの回路形式を一度だけ使用した経験がある。D級ハイパワーアンプの制御のため、ハイサイド電流をGND基準の電圧に変換する目的で使用した。

たった1本の抵抗と回路定数の選択の違いで、新たな使用法が生まれるのも、演算増幅器設計の醍醐味である。

なお、高速の信号が入力されるとOPアンプの仮想接地が成立しない瞬間が存在するが、寄生容量の少ない抵抗を使用しているなら、OPアンプ入力には過電圧が印加される可能性はほとんどない。

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2011年9月15日 (木)

広温度範囲アナログ回路

メタルキャン時代の素子が入手できたころ、アナログエンジニアは液体炭酸ガス温度(約-60℃)から+120℃で動作するアナログ回路を設計したことがある。短時間しか実施しなかったが+150℃でも動作した。

トランジスタのVBEは0.4V近く変動するとともに、パワー素子は定格の1/10程度までディレーティングした。悲しいほどの低減率である。全温度範囲ではhFEが10倍も変動する世界だ。

ICはμパワー品種を使い、極端な低負荷での使用だ。

もちろん内部のチップパターンも開封し、ボンディング材料・方法も確認、そして150℃で多数個・長時間の信頼性テストも実施した。150℃の環境では半年でエポキシガラス基板が焦げ茶色にまで変色するほどである。

基本的に一部を除いては低電圧、低電流の回路であったから、ダイナミックレンジの温度変化も徹底的に検討した。漏れ電流増加などにも種々配慮した。

なぜ、このような設計をしたかと言うと、屋外計器に使う回路であったので、-20~+80℃の環境に長らく使われることがあり、多少信頼性は悪くなっても、それを上回る広い温度に晒されてもよい計器を作りたかったのである。常用温度で問題なく、量産ベースで回路をまとめ上げるには、ばらつきも含めて、より広い温度範囲での動作確認することが必要であったからである。アルミ電解コンデンサは使用しなかった。炉の近くでは輻射熱により高温になる。日本でも冬場寒いところでは-20℃いかになる地域もある。

結局、最高使用温度+100℃の仕様で製品化された。今ではプラスチックパッケージが主流なのでもう作れないだろう。

頑健な回路の一つの条件は広い温度範囲でも確実に動作することでもあるだろう。

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2011年9月14日 (水)

センサは千差万別

センサの種類は非常に多く、また、理化学用センサと工業用センサでは、考える時間尺度も価値観も異なる。しかし、どちらも問題になる経年変化や性能レベルは、技術的には類似のレベルが必要だ。

センサの種類は非常に多く、使っている物理現象も多種多様である。

アナログエンジニアは幸か不幸か、作る立場で工業用センサ(差圧伝送器、圧力計、液面計、超音波流量計、電磁流量計、特殊環境用液面計など)の比較的多くの種類のセンサに係わってきた。理化学用センサにも会社生活最後の8年余り関与した。

センサは多くの原理や物理現象が使われているが、電子回路の存在なくして、今やセンサ特性を議論できない時代となった。センサエレクトロニクスで生きるエンジニアにとって、環境温度と物理現象の関連は熟知しておかなければならない課題である。センサシステムにおいて、校正できる機会がどの程度あるのかも関心事である。

センサシステムは、経年的に多かれ少なかれ変化して行く。環境温度にも依存して基本特性は変化するだろう。

温度と経年変化はないに越したことはないが、実用段階では常に課題となる。

センサに必要な特性はまず、再現性、つぎに単調性、経年変化、温度依存性などと続く。

環境が厳しければ、使える原理は限られてくるのが普通だ。

種類が多くともセンサの扱い方の基本はあまり変わらないと思う。

そして、センサの校正にはそれなりの設備が必要になる。MEMSが華やかな今の時代では、センサの製作も設備産業的様相を帯びる。

センサの感度はそのサイズが大きいほど高感度化しやすいが、即コストに響く。もうひとつのセンサの特質は異種材料と大きな寸法比を使うことが多い。センサの開発では材料開発まで含むケースが少なくなく、学際的な分野であるとしみじみ感じている次第である。

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2011年9月13日 (火)

ツェナーダイオードの特性

ツェナーダイオードは定電圧ダイオードとも呼ばれ、接合の降伏現象を利用する。

電子回路用ツェナーダイオードは降伏電圧Vzが2V付近から35V程度のものが入手しやすい。

一般的な使い方は非安定化DC電源から、直列抵抗Rを介し逆ダイオードに電圧を印加する形式だ。

降伏しているときのVzは電流に依存して多少変わる。しかも、降伏電圧依存性がある。

動作抵抗rという概念だが、低電圧のツェナーダイオードではほぼ電流に反比例するので、直列抵抗Rを高くしてもあまり安定度は良くならない。非常に低い(1-3V)のVzのツェナーダイオードの降伏特性はソフトで、順ダイオードを直列接続したものより劣る場合がある。

9V付近のVzで降伏特性はもっともシャープになり、動作抵抗は最も低くなる。もっと高い電圧では、pn接合特性より、バルクの抵抗成分が効き動作抵抗は電流にあまり依存しないが、Vzが高いものほどrは大きくなる。

次に問題になるのは、温度特性である。5.5-5.7Vを境にして、低電圧の物は負の温度特性、高電圧のものは正の温度特性をもち、mV/℃で表わせば、35V付近で約+30mV/℃、5-6V付近でほぼ0温度係数となる。多くの定電圧ダイオードは温度に対しては定電圧性を有しない。35V付近では100℃の温度変化で1割近く電圧が上昇するのだ。

保護用にツェナーダイオードを使う場合、保証はされていないが、I^2・T I:電流 T:時間一定のラインで単発・短時間のサージパルスに耐える素子であることだ。

その他に、順ダイオード(負の温度係数)とツェナーダイオード(+の温度係数)を組み合わせた温度補償形基準電圧ダイオードがかっては多く使われた。しかし、大半の用途では今では基準電圧ICに代替されている。

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2011年9月12日 (月)

回路のトラブルシューティング

回路が思ったように動かない時、どのようにして解決していくかは回路屋の腕が試される時だ。そして、極めてテンションの高い作業でもある。

基板を起こしているなら、パターン図を再チェックしてから考え始める。

ユニバーサル基板なら、要所の配線チェック、半田付けの不備のチェックも必要だ。

自分にとって新規な回路形式なら、部品レベルから動作を一段一段チェックし矛盾のない動作をしているか、どうかのチェックから始まる。部品損傷が発生する場合には、まず、連鎖故障を生じないように保護抵抗などを追加し、測定のチャンスを作る。

出力6kWのリニアアンプを作った時には、2人組で数カ月かかった。一旦破損すると、回路規模が大きいので損傷個所は何か所にも及び、修復に2-3日かかることもあった。回路が確定し基板を起こすにいたった時には、RCスナバの定数が、この時には1桁変化した。

今のアナログエンジニアは、連続してトラブルシューティングを行える時間は3時間程度である。極めて疲れる。部品損傷も考慮に入れながらの推理、計測の連続で頭はフル回転、手先は計器のプローブに集中する。幾通りもの想定/推理を交えながらミスを探索するからである。

新人にアナログ回路の原理を教え、特定用途の回路を「設計」&試作をさせるとき、卒研レベルなら足掛け数カ月かかる。会社の新人なら、週単位の時間がかかる。それも適切な時期にベテランが介入しての話だ。

技術指導なら、制約の中で対策まで見出さないと仕事人として評価されない。

回路のトラブルシューティング、とくに複数の原因があるときには、理詰めでのチェックが有効である。カット&トライではとにかく収束が遅いのだ。

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2011年9月 9日 (金)

交流の実効値とピーク値

通常の交流の電圧波形は、ほぼ正弦波であるが、ときには波形が正弦波でないことがある。

実効値制御の無停電装置(CVCF/UPS)を電源とする機器で実効値制御を行っている電源系でほぼ三角波が出力されていた事例がある。

精密アナログ機器はコンデンサインプット形整流システムを使っている場合が多いので、ピーク検波に近い。

実効値制御のUPSで波形が三角波が出力されていると、アナログ機器では通常のAC100V±10%入力の設計値をかなり上回る電圧が内部的には発生することになる。これでは、アナログ機器は過負荷に晒され続けることになる。

UPSを多数使っているサイトで、特定の系統に接続されたアナログ電子回路で短寿命不良が発生した経験がある。その1系統が実効値は100Vだが波形は三角波に近かった。

過電圧&熱的裕度はそこまでないので、数か月で故障に至った訳である。

アナログエンジニアはこの類のトラブルを一度だけ経験しているが、珍しい事例であるが忘れることはない。

供給される電源の状態を正確に把握するには、波形まで確認しなければ十分とは言えない。瞬停もあり得る。

電源事情の悪い場所の例としては、発電所や鉄鋼プラントなどが有名である。

-30%の電圧降下などざらにある。これが数サイクルから数10サイクル継続する場合もあるのだ。

元電源は電子回路の要である。

電子回路は安定な電源によって動作し、その信頼性を確保しているのだ。

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2011年9月 8日 (木)

デジタルオシロスコープ

精密アナログ回路を多く扱うアナログエンジニアは安物のアナログオシロスコープをしばしば使う。

帯域が20MHz程度だと1mVレンジでも輝線は安定しており、レベルシフト機能を使えば1/1000程度のDCでもはっきり見える。帯域が狭いと基本ノイズレベルが低いのだ。しかも、帯域以上の信号もそれなりに痕跡が見えることもある。自分の扱う周波数帯程度がノイズが少ない前置アンプが作りやすい筈だ。

一方デジタルオシロスコープでは操作性に機種依存性があり、かつ8bit程度の分解能しかない。そして、ベースラインは±1bit程度揺らぐので、ノイズか発振か静かな信号か本当のところが判らない。

10bit以上のデジタルオシロがあれば良いのだが、そうはいかない。いたずらに高速サンプリングレートを競っているだけで、電圧軸方向の分解能が低すぎるのだ。10bitクラスがあればアナログでも使いやすいのだがとメーカーに幾度か提案したこともある。フラッシュA/Dを使っている関係で8bitになるのだろう。

デジタルオシロはきわどい周波数になるとエリアシングが出てくる。特にスパイク性のノイズの観測では、信頼が置けるかどうか判らないこともある。ナイキストのサンプリング定理はサンプリングに対応する周波数以上の成分が含まれていると低域の成分に変換されて観測される。

このような訳で、アナログ回路にはアナログオシロが最適と考えている。

今ではデジタルカメラがあるので、波形も奇麗に簡単に残すことができる。

デジタルオシロは今、アナログオシロのように、電圧軸方向の速い動きには輝度の低い線を描くようになっているものもあるらしい。アナログオシロの感覚に近づけようとしているのだ。

しかし、デジタルオシロはやはりデジタルで単発現象には強いが、波形の細部を見るには少し粗すぎると考える。

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2011年9月 7日 (水)

正相パワーブースター

正相パワーブースターは簡単にはOPアンプにトランジスタ(FETを含む)段を追加して電力容量を拡大する。

アナログエンジニアは正相パワーブースターで、良い思い出がない。

正相増幅器の発振では、負帰還経路にCを入れても電圧利得を1以下に下げることができない。寄生発振したらあちこちに帯域制限や位相補償の対策を施すしかない。

エミッタフォロワやソースフォロワ回路でも、発振の可能性は常にある。

いやらしいのはパワーFETの発振だ。大量のCをゲート周りに最接近で入れるか、ロスの大きいEMI対策用のフェライトビーズを使うかが主な対策手段だ。寄生発振はしばしばその素子の周波数帯域の上限付近で生じる。

素子のリードのインダクタンス成分と寄生容量が関係するみたいだ。

私は制御理論の専門家ではなく、寄生容量の位置は判るが定量化は簡単ではない。系統的な戦略/対策方策が立てられないのだ。

発振は、出力を絞った時に生じることもあれば、最大出力でも生じ、出力の全域での確認が必要になる。この点も時間がかかる要因だ。

反転ブースターでは、帯域を絞ることを覚悟すれば種々の方策がある。

ここが正相と反転回路形式の大きな違いだ。

プッシュプル形式だとクロスオーバー付近での不連続性も気になるところだ。バイアスが不足すると、寄生発振と言うか、リミットサイクルが表面化しやすい、と言うのが本音である。

簡単に見える正相パワーブースターは案外難しい課題を含んでいる。

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2011年9月 6日 (火)

加減算器

加減算器は抵抗4本とOPアンプ1個で作る2つの入力電圧の差を取る機能をもつ。

入力V1とOPアンプの負入力端子(a点)間にR1、出力端子とa点にR2

入力V2とOPアンプの正入力端子(b点)間にR3、b点とGND間にR4を接続、出力VoはGNDを基準とした出力端子の電圧である。言葉で書くとこのような表現となる。

この回路を文字式のまま解くと

Vo=-V1・(R2/R1)+V2・(1+R2/R1){R4/(R3+R4)}となる。

Vo=K(V2-V1)の形になるためにはK=R2/R1=R4/R3が条件である。

なぜ、こんな面倒な計算をするかというと、一般形で解くと、抵抗偏差の影響を定量的に把握できるためだ。

もちろん、上式の計算では、仮想短絡を前提ととして解いている。オフセット電圧の影響を定式化する時には、R2/R1=R4/R3として計算量を減らし見通しを良くする。

アナログエンジニアの低周波精密アナログ回路分野ではこのように一般形での計算が、必要な抵抗精度などを決めるのに有効だからだ。

解析主導型設計では、このような計算に基づく回路設計が便利である。

人生は、思えばそう長くない。アナログ回路も計算が有効な場合には解析主導型設計で品質を作り込みたいものだ。勘と経験だけに頼れば、ベテランとして設計できる期間も少なく時には間違いも起こる。

定量化した検討による判断なくして、精密アナログ回路は成立しない。政治の世界も同様だろう。

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2011年9月 5日 (月)

半田付け作業

電子回路業界にはプロの試作屋さんがところどころにいる。ユニバーサル基板であっても回路図と注意事項を伝達するだけで見事に注文に応えてくれる。

そんな試作屋さんは、見事な半田付け能力と回路図解読能力を持っている。だからこそできる商売だが、残念ながら私は試作屋さんを直接には知らないのだ。調達部門に依頼すれば良いだけの設計部門しか経験していない。

半田付けは、鉛フリー化によって作業性が若干悪くなっており、作業温度がより高温になっている。

今回は訳あって数100箇所の半田付け箇所のある基板を作らざるを得ない。実はアナログエンジニアは(老眼+近眼+乱視)で、数年前と違って目の近点が眼鏡をは外しても、35cmより近くはよく見えない。遠点は無限大で視力は両眼とも1.2あるのだが。

おまけに最近は細かい作業をするとき手が少し震える。年のせいだ。

従来の6・4半田付けを試験的にやってみた。新しく買ったセラミックヒーター半田ごての温度が高すぎる。あまり使っていなかった古い方は作業温度が合いそうだ。手の震えはどうにもならない。神経を集中すればするほどやりにくくなる。DIPパッケージの2.5mmピッチのICにジャンパー線を接続するのがやっとだ。

若い人の中にはもっと足ピッチの細かいICの半田付けを幾度もやれる人や、鉛フリー半田付けを基板を傷めないで10数回も取り外し、取り付けできる人も普通に居る。それも、最小のチップ部品でだ。

今回の作業では、近くが良く見えないから、接続ミスもいくつか出るだろう。その場所の特定には回路動作の異常時の挙動の理解も必要な緊張度の高い時間が続くだろう。

そんなとき、自己の技量と技術が真に試される。

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2011年9月 2日 (金)

極性間違い

そんなに大規模ではない精密アナログ回路の設計で、一か所OPアンプの+入力と-入力を書き間違えた。その結果、全体として反転アンプになるところを正相アンプと勘違いした。

最後の本を書いた時以来自分で回路図を書いたので、初歩的ミスがでた。

この間違いのまま作れば正帰還になり、出力振り切れとなる。ICが破損することはないので試作基板なら作ればすぐわかるし修正もできる。

回路図の再チェック段階で発見した。ついでに、電源逆接続時の予防処置も追加した。今度の試作回路は、機械屋さんに使ってもらうための回路。電源はドロッパ式の汎用品を使う。

実はアナログエンジニアは符号、極性のミスを起こしやすい人間だ。それは自覚しているのだが、やっぱり今度も出た。初心者もベテランでも犯しやすい間違いではないか。汗。&言い訳。

ついでに、自分の手持ち部品で作れるか在庫をチェック。コンデンサはあるが一部の抵抗が足りない。小物部品の不足やユニバーサル基板の手持ちサイズが小さい感じ。

近隣に、と言っても片道20-30kmくらいあるが、部品屋さんを訪ねてみる気になった。問題は、前回、買い物をしてから3年以上経過しているので現存しているかどうかも判らない。

道は覚えている。しかし、営業日は覚えていない。電話してから行った方が無難か。

朝一で電話してから行くことにしよう。相手の朝一って何時だろう。

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2011年9月 1日 (木)

OPアンプのPSRR

OPアンプのPSRR(電源除去比:power supply rejection ratio)は周波数の関数であり、開ループゲイン特性と類似の周波数依存性がある。

電源が変動した時、入力換算でどの程度出力に影響が出るかの指標であるが、一般に+電源変動と‐電源変動によるPSRRは異なる。

PSRRは高周波側で弱くなる=影響が出やすいのでパルス性の成分が電源に含まれているとその影響がでやすい。従って、精密な増幅をおこなうには、スイッチング電源だと影響がでやすい。

静かな(高周波ノイズの少ない)安定化電源を使うと、スイッチング電源に比べ1桁出力ノイズが減ることもある。

OPアンプを使うアナログ回路電源にドロッパ式安定化電源を使う理由は、PSRR特性を考慮したうえである。

遅い変動ならほとんど影響は出ないから、高周波ノイズ成分を含まないさほど安定度の良くない電源でも、出力ダイナミックレンジ以外には影響が出にくい。

アナログエンジニアは電源がスイッチング電源であるときにはその後段に低ドロップアウトの三端子レギュレータを使う。スイッチングレギュレータからの電圧は15Vとすると、OPアンプ電源を12Vで設計すれば、PSRRによるノイズの増加をかなり防げる。

OPアンプの場合、固有のノイズスペクトルもあるが、その前に電源品質を確保しておく必要があるのだ。

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