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2011年10月19日 (水)

L負荷のスイッチング

アクチュエータの多くは電磁力に頼っているので、トランジスタスイッチング回路では結構インダクタンス負荷をオン・オフする場合がある。

アナログエンジニアは若い頃、インダクタンス負荷のオフ時の挙動が良く理解出来ていなかった。

DC回路では、スイッチングの際、オフ時の挙動の理解が重要な設計事項になる。

しかし、インダクタンスに逆並列にダイオードを付加して、コレクタ電圧の上昇を回避する手段を記載した事例は良く見かけるが、ダイオードを流れる電流には言及されておらず、ダイオードの選定に自信を持てなかった。

電流の流れているインダクタンス回路をオフすると、インダクタンス電流は急には変化できないので、オフ直前の電流を維持しもっとも電流が流れやすい経路を流れる。

V=LdI/dt   V:インダクタンスの電圧、L:インダクタンンス値、t:時間、I:電流 だから、電流の時間変化が大きい時には、いくらでも高い電圧が発生する。そして、もっとも電圧の低い経路を流れる。

ダイオードを逆並列にした場合、オフ直前の電流を初期値としてダイオードDを順方向に電流が流れる。結果として、L→D→電源の経路の循環電流となる。

多くの電磁弁、リレー、ソレノイドは抵抗分で電流が決まるように設計されているので、その抵抗分は大きく、循環電流はL/Rの時定数で減衰していく。

ここまでの説明を明白に記述した回路本はあまりにも少ない。

電子回路がアクチュエータ駆動する限り、各種インダクタンス負荷のスイッチングの問題を扱えることは実用上、重要な視点である。

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コメント

アナログエンジニアさんこんばんは。
インダクタンス成分のある負荷をスイッチングするときは確かに注意が必要だ。ケースによっては部品の最大定格を超えていたりする。
こういったのはオシロで波形をみたり、回路図から過渡現象を計算してみて、どのようになっているかを知るのがよいと思う。

さて、最近の高周波測定で思ったより定在波がたたないことがわかった。なんらかの事象で定在波を抑えられているようだ。これはこころしてかからなければならないようだ。仕事には関係することだが、直接の関係はない。そこでいろいろ部品等を購入して調べることとした。こんどの週末にでもでかけて必要な部材を買ってこようと思う。
自然界は常に正しく、人間は思い込みや何かで間違う。まったく、自然とはよくできたものだ。

非国民さん こんばんは
電気信号を波として扱う高周波回路は、測定機材が重要ですね。知り合いの独立エンジニアでスペアナなど高価な基材を揃えている方がいました。新品で買えば何千万もするような実験室をお持ちでした。
L負荷のスイッチングも問題あるが、L負荷のリニアパワー回路も結構、よく検討しないとケーブルとの共振が発生したりします。

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