電圧制御電流源
電圧制御電流源の設計は、制御電圧と負荷が同一GNDでなければならない時には結構厄介である。
電流検出用の直列抵抗を接地したいからだ。
負荷を接地しなくともよい場合には、いくつかの手段が考えられ実用化されている。主制御トランジスタQと負荷RLと電流検出抵抗RSの位置関係がQ→RL→RS→GNDだと両極性の電圧制御電流源の構成は容易だが、アンプ部の電源電圧は最大出力電流×(RL+RS)の電圧が必要になる。
磁路を持つコイル負荷では、高い電圧VHを要することも少なくない。
片極性で負荷を接地しなくともよい場合には、VH→RL→Q→RS→GNDの構成が可能であり、回路的な自由度が高くなる。
このような構成は片極性のコイル負荷で多く使われる。また、工業用計測器の標準出力は4-20mAで片極性かつ0出力しないので、センサ回路丸ごとフローティングを行い、受信端で250Ω受信抵抗で1-5V信号に変換する。基本的に電圧制御電流源なので、途中の伝送路抵抗の影響はほとんど受けない。
電磁流量計では数10Hzの交流方形波励磁を行うが、効率化と高周波化には工夫が必要である。この場合には、モータ駆動に似た形になることが多い。
精密アナログ回路では、意外にインダクタンス負荷の電圧制御電流源が必要なのである。そして、電源電圧も高くない、高電圧オペアンプまがいの回路を作ることすらある。
電圧制御電流源は負荷条件が同じものはあまりない、と言うのがアナログエンジニアの実感である。
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