矢の弾道計算
庭の片隅で咲いたサフランの花。わが家のさちは、さまざまな野花も庭に植えている。
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洋弓は合理的に製作・改良されているので、競技距離での最大射角は0.1ラジアン程度以下である。
この程度の射角だと水平成分であるCOSの効果はすくない。
また、空気抵抗の影響を大きく受ける矢羽は、和弓で良く使われる鳥の羽ではなく、プラスチックあるいはフィルムの小さい羽根が付いているだけで空気抵抗は比較的小さい。
空気力学的に見ても、矢羽なしに安定に飛翔する。
レーザー速度ガンを使わずに矢の弾道を間接的に測定する手段が複数ある。一つは、競技距離が判明しており、射角を測定する方法だ。ターゲット競技では水平な場所で射つから、距離と射角から高校物理、質点系の力学で計算できる。難点は目視で傾斜計で射角を測定すると0.5°位の誤差が出ることだ。この改善には、デジタルカメラを使い、水平なラインを同時に撮影し、写真から角度を求める。誤差は0.1°位。
もっと、巧妙な手段がある。これには高校物理と幾何学の知識を使う。
競技距離の増加に伴う照準の変化を測定するのだ。目と照準器の距離が判っていものとし、2つの距離での照準の目盛の下がり具合を利用して、射角の絶対値を使わず、例えば30m、70mでの照準下がり具合から、角度の絶対値を使わずに連立方程式を解く形にすると、精度よく測定できるのだ。
矢速が早い人でも意外に精度は低下しない。
アナログエンジニア流の弾道計算、それは高校物理の応用でもあるのだ。
これらの方法で測定した矢速は、競技距離での平均矢速に近い数値であろう。
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