洋弓での単位
アーチェリーではヤード・ポンド単位とメートル単位が混在する。
まず、弓の強さだが、これはポンド重であり、私の弓では37Lbs≒17kg重の張力に相当する。近い重量物なら18L石油ポリタンを指先3本で支えるようなものである。
矢の重さはg単位で記述されることが多いが20g以下であることが多く、長さは例えば26・1/2インチと表現される。弾頭(ポイント)の重さはグレイン単位例えば80grainと表現される。10円硬貨よりは少し重い。
競技距離はもちろんメートル単位だが、照準器の目盛は、国内ではmm単位の用具が多く使用されている。目と照準の位置にも依存するが、競技距離20m増すごとに、10数mm照準は下がる。したがって、目盛は下に向かって、数値が増すように製作されている。
射の瞬間の矢の最大加速度はおよそ1000G程度。
弓のF(力)-S(長さ)曲線から蓄積エネルギーと矢の運動エネルギーの関係を実測した結果は、競技用の弓では弓に蓄積されたエネルギーの90%前後が矢の運動量に変換されている。数100gのリムと10数gの弦を高速で動かして、この伝達効率は非常に高く、洋弓の構造の合理性の賜物と考える。
30年ほど前の安物の弓では55%程度であった。
一流の競技者は比較的強い弓と重いポイントを使うことが多い。この理由は、強い弓だと、引き尺が多少ずれても矢速=着弾位置に影響が少なく、重い矢であると風の影響が少なくなるためである。
65歳になろうとしているアナログエンジニアは用具の進歩に助けられて、今も、若い頃より強力な弓を引いている。
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コメント
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技術の世界もヤード・ポンドとメートルが混在していることが多い。アメリカがヤード・ポンドをやめれば、すべてメートルとなるだろうが、過去の蓄積からやめることができないようだ。
アメリカはやはり自分たちが世界の中心と思っているのだろう。アメリカの行政機関の一つにFCCがある。そこの子供向けのサイトには堂々とどらえもんのソックリさんがいる。著作権にあれだけうるさくいうアメリカなのに、自身は著作権を侵害している。
投稿: 非国民 | 2011年10月 8日 (土) 07時59分
そういえば、プリント基板のリード線ピッチの単位格子は2.54mm(1/10インチ)と2.5mmがありました。
DIP形状の多ピンICやコネクタだと、メートル単位系では0.04の累積で実装困難になったことがありました。
投稿: 5513 | 2011年10月 8日 (土) 11時25分