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2011年10月18日 (火)

なぜ、hパラメータ?

アナログエンジニアはhFE以外のhパラメータで回路設計をしたことがない。

半導体のアナログ設計でもふつう、hパラメータは使わない。

半導体のでデーターシートは例外を除いてhパラメータで特性を記述しない。しかし、大多数の大学ではhパラメータで回路を教えることが多い。真空管から半導体への移行期の回路の大御所(複数)の本がhパラメータでの記述し、大学教科書で踏襲されているせいなのか、良く分からない。

もっと高周波を扱う場合はSパラメータを主に使うらしい。

hFEとhfeは厳密には異なる。前者はコレクタ電流とベース電流の比、後者はあるコレクタ電流での微小変化を与えた時のΔIc/ΔIBだ。

では、実務者は何を使うか? ほとんどhFE、アーリー効果、それにIB=Is*exp(VBE/VT)の式だ。そしてより高周波(1MHz前後)ではコレクタ・ベース容量Cobで特性を予想する。

hパラメータの実際の数値はデーターシートには普通記載されないので、自分で上記の式から計算する。しかし、広い動作範囲のトランジスタの特性表現には不向きであるし、回路シミュレータSPICEとの相性も悪い。エミッタフォロワでは、hパラメータで表現しにくい特性だ。

1石トランジスタ増幅器で利得計算に必要な入力抵抗hieは理論式から各自が求めるものである。この求め方を知らないと、公式は判っても、実際の計算はできない。

英文の良本は古くから、半導体/アナログIC設計を志向した記述になっていた。

なぜ、日本の回路教育ではhパラメータで教えるのか、悪しき伝統だろう。

私の著作では入門書であっても実務で使うモデルでの説明に徹している。実はアナログエンジニアが最初の本を著作した時、hパラメータで回路を教えることが出来なくて、自分で教本を作ったという経緯がある。

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電子回路基礎」カテゴリの記事

コメント

たぶん、どこかの有名な先生がhパラメータで教科書を書き、それが伝統となっているのだろう。学門の世界はなかなか頑固だからね。しかし現実の問題と向き合う人はそれと関係なく、自分に都合のよいものを使うだろう。
自然科学は自然という人間の思惑とは無縁のものを扱うので修正がきくが、人文科学はまあだめだね。
法律でいうと、わいせつ図画頒布罪というのがあるが図画は「ずが」ではなく、「とが」と発音する。偉い人が「とが」と発音していらい、本来の「ずが」が使われず、今日に至っている。
もっとすごいのが「公訴事実」である。これは検察官が被疑者の犯罪がどのように行われたかを説明する、いわば「意見」である。ところが、意見なのに、実際にあったことを示す「事実」を使う。
たしかに、犯罪者のほとんどが累犯者で何回も裁判所にきている、どうにもならないケースが多いのは事実だ。そして、当然ながら、釈明の余地などなく、検察官の主張することがほぼ「事実」なのは間違いない。多くのケースで犯罪者は犯罪の手口が同じだ。窓を割って侵入する窃盗犯はドアが開いていても窓から侵入する。たまには手口を変えれば発覚しにくいと思うのだが、不思議と同じ手口だ。だから検察官としても犯罪の手口から容易に被疑者を割り出し、現場の証拠からまさに誰がどのように犯罪をおかしたかの「事実」は確信に近くなる。
犯罪者に創意工夫というのはないようだ。

非国民さん おはようございます。
日本の学問/学術の世界もかなり閉鎖的ですね。
国などが出す研究費はおそらく大御所の天の声が左右する仕組みになっているのでしょう。
3/11の東日本大震災以降、各分野で、その世界でマイナーだった人たちが、正論を言える場が増えているようだ。その意味で塞翁が馬とも言える。
技術の分野は市場原理がまだしも働いているが、それでも、技術的必然性があり多数派でない時に、一石を投じるには、かなりの勇気と個人的リスクを伴うのが常でしょう。日本は急激に変わりつつある。また、変わらなければならない。

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