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2011年10月14日 (金)

ブートストラップ回路

Bs図はAC超高入力抵抗を実現する回路例で、ブートストラップ回路と呼ばれている。(と思う)

J-FETトップの汎用オペアンプを用いても、数GΩの入力抵抗のバッファアンプを構成できる。

原理は簡単で、電圧フォロワ回路A1で利得1未満で1に極めて近い電圧をC2を経由して、バイアス電流を流すための抵抗R1にかかる電圧をほぼ0にするのだ。バイアス電流を流す直流経路は、R1とR2である。

コンデンサが嫌な部分に2個、オペアンプの周波数特性は一次遅れ回路だから、解析的に解こうとすると3次以上の複素数の関数になり、見通しが悪い。

図の定数は最適化していないので、低域側にピーキングが出るバンドパスフィルタになっている。

超高入力抵抗は正帰還により実現されているので、どこまで系の帰還利得が高いかで帯域が決まる。Rzは解析のための信号源抵抗である。

設計式が見通しの良い形で得られず、モデルが明白なので回路シミュレーションによる最適化を行うことが好都合である。

種々の定数で試してみたが、この回路は数GΩの入力抵抗をもち、帯域は信号源抵抗に依存する。

こんな回路の用途はAC変調されたセンサのハイインピーダンス・微小信号の増幅などであろう。

アナログエンジニアは工業計器の分野で、一度だけ実用品の類似回路をみた記憶がある。

自宅で実験したことがあるが、出力しか観測できないので信号源抵抗10MΩまでしか、誘導ノイズのため測定できなかったが、シミュレーションの妥当性を検証することはできた。

この回路の性能を発揮させるには、厳重なノイズ対策が必要だろう。

オペアンプ回路で正帰還リニア増幅はあまりやらないが、電圧フォロワが利得1未満で、利得が1に極めて近いことを実感させる回路である。

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