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2011年10月15日 (土)

放射性廃棄物処理

最近になって、ようやく政府内でも原子力発電のコストが見直されることになった。

しかし、除染で出た放射性廃棄物はどこに保管するのだろう。

廃炉に伴う、高濃度放射性廃棄物はどこに処理するのだろうか。私の知る限り、実際に永久処分が実現された例は、一例しか知らない。数億年の安定な地層に穴を掘り、搬入後コンクリートで穴をふさぐ手法だ。日本ではそのような安定な地層はないだろう。処分法が国内で不可能なら、そのコストは算定のしようがない筈だ。

ガラス固化体を作る技術だけ自力開発しても意味がない。

大量の低濃度放射性除染汚泥を受け入れるところはあるのか。それでなくとも、東京電力福島第一発電所の事故により、普通の用途に使えない土地が幾平方kmもでる。狭い日本の貴重なスペースが減少している。その価値あるいは費用はどう算入するのだ。

発電により燃料から回収されたプルトニウムはたまり続けている。その保管費用は?その処理は? 明白ではない。プルサーマルの計画があるのみだ。

このような状況の中で、世界で唯一高速増殖炉FBRの開発を進めている国が日本だ。膨大な国費を掛けている。FBRを実用化してプルトニウムをさらに生産してどう使うのだろう。それに、冷却材は金属Naだ。万一の時に、水を掛けるわけにはいかないし、保温されないと配管などに負担がかかる。

原発コストは、現時点で算出しようのないコストも膨大にあるはずだ。もっとも嫌な部分の議論が本格化していない。

本当に原発は安いのか、安易な原発の発電コストが安いという最近のキャンペーンはにわかには信じがたい。

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コメント

原子力発電所のコストなど世界中の誰も試算してはいないだろう。巨額のお金が動くので、それらは2次的問題になる。柏崎刈羽原子力発電所の一基だけで、地元の新潟県の全電力がまかなええるぐらい、巨大なエネルギーが発生する。それに必要な敷地はほんのわずか。この面積当たりの効率の良さが原子力発電所を発展させた原動力だ。同じ電力を発生させるのに、火力発電所だと、もっと面積がいる。太陽光なら日本では面積的に難しいだろう。
廃炉にかかる費用や放射性廃棄物にかかる費用は現在は発生していない。将来的に発生する費用だ。ところが、火力発電所の燃料費はすぐに発生するし、すぐにお金を支払わないと燃料調達ができない。それで、どうしてもコストが目に見えてしまい、安く供給できない。一方、廃炉費用は将来のことで、目に見えない。コストを無視しても、すぐには問題にならない。そこで、将来の費用を故意か過失かは別として過小に見積もれば、現在のコストは低減できる。これは何も日本だけではなく、世界中で行われていることだ。一基作るだけで数千億円がかかり、その維持に年間何十億円か何百億円かかかる。巨大産業なので、それらを使わないなんていう方向転換はまず困難だ。
経済の世界でも同じことがある。デリバティブなんかそうだ。当初は必ず利益があがるようになる。それをあまり知識のない会社に売る。最初の数年間は預金に比べ、とてつもなく利益がでる。ところが、時間がたつととてつもない損失がかなりの確率で発生する。ある程度の大きな会社や組織に売り込めば、社長が任期の間は利益がでるが、社長が退任して数年後に大きな損失=売った側は大きな利益がでるなんてことは簡単だ。デリバティブを買った当時の社長はもういなくて、現在の社長はその損失の穴埋めに苦労するなんてことはよくあることだ。デリバティブを買った社長は利益がでているので、退職金もたっぷりもらい、悠々自適。一方、とんでもないデリバティブを買った会社は巨大な損失が発生してアップアップなんて、本当に大変な事態だよね。

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