チャージポンプによる負電源
写真は2石無安定マルチバイブレータとチャージポンプの組み合わせで、+5Vから軽負荷の負電源を作る回路例。
交流電圧源はマルチバイブレーターのコレクタ電圧で、部品記号の付いている部分はチャージポンプ形倍電圧回路あるいはコッククロフト昇圧回路の1段分と見ることが出来ます。
マルチバイブレータの出力振幅は約5Vなので、ダイオード2個分だけ負電圧の絶対値がちいさい。
この方式で負電源をつくることに大きな意味があります。軽負荷の負電源として適当な負電圧を得ることができ多段構成にすると+5Vより高い電圧や、負の大きな電圧を得ることも可能です。なお、この回路構成はダイオードの向きを逆にすれば正出力が得られます。
交流電圧源があれば、とにかくRCだけで負電圧を得られることに意味があり、デジタル回路のクロックを分周しても交流源になります。
アナログエンジニアはほぼこの回路図と同じような負電源発生回路を幾度も製作しています。小規模回路で交流源があれば、負電圧が得られ回路設計の自由度が増すが、いつも非絶縁DC-DCコンバータで昇圧や逆極性を得る必要はないだろう。
そんなときにこの回路は便利なアナログ回路のワンブロックになるでしょう。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
アナログエンジニアさん、こんばんは。
なるほど、簡単な負電圧発生器ですね。倍電圧整流でもつければ、いくらでも電圧は高くなりますね。
いちいち、負電圧発生用のICなんか使わなくてもOKというわけですか。電子回路はやはり工夫が大事なんですね。
投稿: 非国民 | 2011年11月 8日 (火) 19時32分
非国民さん おはようございます。
枯れた技術と言われるアナログ回路もちょっとした工夫で部品を節約できます。最近はデジタル回路もシステムの中にあることが多いので、アナログ回路で負電圧が欲しいときに愛用しています。発振器があれば、個別部品4個でできますので・・・。
投稿: 5513 | 2011年11月 9日 (水) 07時04分