半可通の罪
半可通のエンジニアの罪は重い。
辞書によると 半可通:[名・形動]いいかげんな知識しかないのに通人ぶること。また、その人や、そのさま。「―な(の)知識をふりまわす」by Japan Knowledgeである。
技術および技術教育の世界では、半可通のエンジニアはいない方が良い、周りがひどい迷惑を被りしかも余分な仕事を振りまく。例えば某社のK氏もそうだ。この人はアナログの世界の本質を知らないが、指導的立場にあった方だ。
アナログエンジニアは自分の知らない領域を明確に把握している。だから、必要な時、必要な専門家の助言を技術用語を使って活用することが出来るのだ。助言を得るに必要なサンプルの残し方や必要な情報も心得ている。実務で半生を送った私の技術の一端である。
このおかげで、高い技術的成功率と自分の設計した製品の信頼性を維持してきた。
上には上がいる。上から見れば技術的嘘は瞬時に見破れる。しかし、半可通の人は、自己流をあくまで貫くのもその特徴だ。
アナログの世界では半可通は通用しない。しかも、学際的技術である。
私は、自分の経歴から、種々のアナログ世界の技術を知っているが、その知識を振り回すことは普通しない。
企業内高専に在職した時、種々の分野の専門家それも故ありの専門家たちと長期にわたり交際できた。電気化学の考え方と方法論、フラクトグラフィ、制御の本質、機械加工法、温度計測や経営管理などの分野も含む。
温度計測に関しては、故F.H氏から口頭ではあるがその著の無制限引用の許諾を得ている。機械加工分野では、U.M氏から免許皆伝&代講を許された。この方のおかげで、例えばエスカレータのステップを一目見れば、その方の発明による加工法で製作されたものか否か一目でわかる。
強電の方もいた。強電/パワーエレクトロニクスのまねごとは経験しているが、強電特有図記号や考え方、本に普通、記載されないパワー素子の駆動システム、保護方式もある程度知っている。
大型変圧器の専門家も隣の席にいて、親しく付き合っていただいた。私は小型変圧器の設計製作はできたので、大型の変圧器との相違は良く理解できた。
技術は技術を生む!半可通にはその発展はありえない。
多くの専門家との触れ合いの中で、現在のアナログエンジニアの総合力がはぐくまれたのだ。
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写真は今朝の新月直前の月、もう明るくなった。空は澄み渡っているが、高度が低いので鮮明な画像にはならなかった。
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