抵抗分圧回路
写真は、愛用の英和辞典。1965年に購入したもの。皮表装。研究社刊。
複数形や不規則変化動詞の説明もある。
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R1とR2からなる抵抗分圧回路に電圧Vsを印加するとその中点電圧Vcが、
Vc=R2*Vs/(R1+R2)
の式は、多くの方がご存じだろう。
この式の導出はオームの法則とキルヒホッフの法則を使えば、簡単に解ける。
この回路はループが1個で、分流点がないから、Vsを含むすべての素子に電流I=Vs(R1+R2)が流れる。基準電位をR2の下側にとると、オームの法則により、R2にはVs*R2/I=Vcの電圧がかかり、上述の式が出てくる。
この解析の前提は分流点がないことが前提なのでR1とR2の接続点には他の回路負荷がないことが前提である。
アナログエンジニアは、このような簡単な分圧回路でも一度はオームの法則とキルヒホッフの法則から、上記の式を確認しておくべきであると考えている。もちろん、抵抗分圧回路は、低周波アナログ回路では頻繁に使うので、明確に覚えておく必要がある。
そして、抵抗分圧回路をRC分圧回路でZ=1/jωCと置いてRとZの分圧回路とすれば、一次遅れ回路の周波数特性が求まるのだ。RL回路ならZ=jωLと置けばよい。
一次進み回路でも同様だ。
たかが2本の抵抗分圧回路だが、その後の効率の良い理解への出発点でもある。大切で重要な回路技術の最初の深い理解がその後の理解速度を決める。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
こんにちは、アナログエンジニアさん。
この回路、奥が深いですね。色んな角度から見ることが出来ますね。R1を通じて流れた電流が、R2によって発生した電圧によって抑止される。これって、直列帰還かな?ブロックダイアグラムを描くと面白いですね。
(・v・)/
投稿: uA709 | 2012年1月18日 (水) 12時03分
こんにちは、uA709さん
分圧回路:一つのループしか持たない回路で、オームの法則だけでは解けない回路ですね。この回路から出発して、キルヒホッフの法則をマスターするための例題もありだと思います。
オームの法則は電流しか測れない時代に定式化されたとのこと、電圧の概念を明確に打ちたてた法則でしょう。
投稿: 5513 | 2012年1月19日 (木) 06時51分