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2012年1月28日 (土)

出前理科教育

アナログエンジニアは小中の出前理科教育には参加していない。

実務者による小中学校で見せる、作る授業では、身の回りにあふれている安価で高機能な製品(ゲーム機も含めて)以上のデモあるいは作ることが出来ないからである。

しかも、子供たちは、作ることはあまりしないが、使うことに対しては大人にも負けない機器の操作能力をもつ子たちも多く存在する。そして、メーカーはその中身を直接見せることはあまり多くない。しかも、昔に比べ価格はそんなに上がっていない。安くなっているものも少なからずある。

豊かな時代の教育は変わらなければならない。自分の目でさまざまな自然現象や物を動かす原理を知るまでの道のりは遠い。

そのギャップを埋める教育とは、どんなものだろう。

私の時代には、自作できれば、そこそこ使える器具が作れた。そして、種々出会う自然現象や身の周りの装置の動作原理を垣間見ることが出来た。今は、相当な知識と訓練を施さなければ、物つくりの世界は見えない。

勉強して見える世界は、身の回りのデジタル機器までは簡単には届かない。

高校でも同じである。特に、工学の基礎となる物理は厳しい。高校数学を活用できて、初めて物理を暗記モノとしてではなく、系統だった科目となる。きちんと理解し、微分・積分の概念を使えば、ほとんど公式を覚える必要もない。高校物理で最初に習う質点系の力学も公式のオンパレードだ。これでは、使うべき式の選択が出来ない。多くの高校生がこの段階で物理苦手となる。電気・電子の基礎となる章まではなかなか届かない。

PCが普及した現在、誰でも、ふた昔前の大型計算機並みの数値計算能力を利用することが出来る。そこで、必要なのは、高校理科の正確な理解である。誰もがその能力を身につけられるとは私は思っていない。

私は気晴らしに単純作業を延々とやることもあり、そして、案外楽しくやっている。人には適性・能力・興味の対象は大きく異なる。義務教育で最低限の生活能力を教える必要があるが、それ以降は有料で多様化した教育があってもいいと思う。

職人の方で素晴らしいノウハウをお持ちの方も多く知っている。何も苦しんで、大学に行く必要はないだろう。

時代は変わった。大きく変わった。しかし、教える教科書はその時代の変化よりも大きく遅れている。大学の学部も似たような部分がある。

この頃、その元凶らしきものが見えてきた。

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コメント

アナログエンジニアさん、こんばんは。
昔は動作原理が目に見える装置が多かった。トランジスタラジオなどは、オシロがあればどういう風に動作しているか簡単にわかる。ところが最近はIC化されて、中身がわからない。そのうえ、機能は高度であり、相当の知識がないと動作を理解することができない。なかなか大変な時代と思った。
ある高専に行ったら真空管でラジオ等を作っていたりしていた。これだと動作を誰でも理解できる。ひとつ前の状態からスタートするのがよい方法なのかもしれない。

非国民さん おはようございます
ほんとに、今は原理の見えない装置ばかりですね。しかも、その装置の能力の総てを引き出すのは至難の業です。
真空管ラジオはほんのりヒータが光るので、電子回路が動いている感じがします。そのあと、FETを使った実験があれば最高だと思います。

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