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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2012年1月20日 (金)

アナログ屋さん

近年アナログ回路設計者の払底が話題になっている。

少し前までは、「新人の回路屋さん10人を配属してあげる」と言えば、当然のごとくデジタル回路を扱える方が対象になった。

設問を変えて、「ベテランの回路屋さんを一人だけ配属する。」と言えば、ほぼ確実にアナログ屋さんに白羽の矢が立つ。

常日頃アナログエンジニアは以下のような表現でアナログとデジタルについて発言している。

「アナログはシステムの基本性能を決める。デジタルは装置に芸をさせる。」

アナログはシステムの基本性能を決めるが故に、あるレベルを超えないと使い物ならないので、新しい人材が育ちにくいのである。少なくと20年前あるいはそれ以前の設計のアナログ回路を超えうる性能を持つ回路を、発展した今の部品で構築できなければ意味がないからである。

これは、結構なハードルであり、そのために多くのメーカーで、古い設計を流用したアナログ回路を使っている場合があるのだ。

団塊世代が退職した現在では、アナログ回路を教える人も同時に払底してきている。手ほどきしてくれる人がいなければ、簡単にはプロにはなれない。大学でも同じ状況だろう。

そしてアナログ回路は密接にセンサとアクチュエータに関連するので、センサ&アクチュエータの知識も本当は必要なのである。センサやアクチュエータの知識がないと、アナログ回路設計者は、自分が作るべき回路の仕様を思い描くことが出来ない。

アナログ回路のベテランであり、かつ、センサとアクチュエータを熟知しているエンジニアはかなり少ない。

アナログ回路は、例えば工業用途でそれなりの世界を見たならば、理化学機器あるいは家電、自動車など少し設計ルールは異なるが、根源は同じなのである。

我々が自動化により、快適に過ごせるのは、センサにより環境の状態を電気信号にし、コンピューターで判断した結果に基づいて、アクチュエータを介して働きかけているからに他ならない。

センサに限って言えば「センサは千差万別」と言われ程、多くの種類がある。そして、実用になって、実際に使われているセンサの原理は意外に少ないのである。

アナログ復活の時期はもうすぐ、始まるだろう。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

アナログエンジニアさん、お早うございます。
常々、アナログの世界は、微分方程式の世界でもあると思っています。目の前の物理現象を、一階あるいは、二階までの方程式で捉える力、時には、テーラー展開で線形化するような技術。そのような基礎的な技量が求められる世界であると思います。逆に、それが無ければ暗中模索。魑魅魍魎が跋扈する世界になりますね。
(・v・)/

uA709さん こんにちは
微分は未来の予測、積分は過去の履歴でしょう。
「時には、テーラー展開で・・・」:私も良く使います。
この手法がないと、式が簡単にはなかなかならない。アナログ屋に必要な大局観を養うに必須の素養。まったく同感です。

アナログエンジニアさん、こんばんは。
微分方程式を簡単に解く方法にラプラス変換があるが、よくこんな方法を考えたものだと感心した。ところで大学の先生から次のことを教わった。
「この微分方程式の解は?」と聞かれたら、「解は求まらない。」と答えると99%正解だそうだ。
微分方程式の境界値問題を解くのにグリーン関数というのがあって、結構世の中で使われているようだ。大学院でも講義があったが、さすがに長年使ってないので、ドイツ語同様、忘れてしまった感じだ。同僚のイタリア人が論文を書いていたが、境界値問題の解き方がおかしい。といっても、まあ、同僚だからね。それにしても日本の学会は査読が甘いと思う。いや、査読が甘いというより、新規性のない論文がやまほどあるというのが正解だろう。

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