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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2012年1月 6日 (金)

無安定マルチバイブレータとSPICE

回路シミュレータSPICEを少なくない方が無安定マルチバイブレータを発振させようとします。しかし、無安定マルチは対称回路回路なので、何もしなければ発振せず2つのトランジスタがともにオンの状態で過渡解析が終了します。

この理由は、SPICEでは、10kΩと抵抗値を定めると、限りなく10kΩそのままの値になります。トランジスタも同様で異なるモデルを使わない限り、完璧なペアトランジスタ対になります。コンデンサも同様です。

したがって、計算誤差が対称性を崩さない限り、2つのトランジスタは両オンに向かって収斂していきます。

多くの場合、電源にDC電源を宣言しています。この結果、強制的に、例えばコンデンサに初期電荷を設定するなどの処理をしないと発振しません。

しかし、起動時にコンデンサには電荷が非対称に残留することは考えにくい不自然な処理です。

アナログエンジニアの常套手段は、抵抗かコンデンサの値をわずかに違え、かつ電源にはパルス電源を用いて、高速で立ち上げます。

これで、現実に近い発振が行われます。

起動の種は、回路の非対称性と電源の立ち上げ時の電圧変化やノイズによって生成されます。

めんどくさいので異なる二つのトランジスタモデルを作成することは普段しません。

発振周期に比べ、非常にゆっくりとパルス電源をたちあげますと、正弦波に近い発振プロセスを経由して定常発振することがあります。これは、計算の誤差が発振の種=非対称性となります。

無安定マルチバイブレータで電源を低い値から徐々に上げると、正弦波に近い発振を継続して観測できます。早い立ち上げの場合には、RCのわずかな違いだけで発振し、2サイクル目からほぼ定常発振波形が得られます。

回路系が簡単であるために、初めてのSPICE解析でしばしば対象となる無安定マルチバイブレータを発振させるには、発振の種が何であるかをよく理解しておく必要があります。

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