物つくりの自動化
最近の製造現場では、生産設備の自動化が進行している。それも急速に、そして継続的にである。
自動化設備による生産では物が大量に安く作れるとともに、生産そのものに携わるworkerが最小限になる宿命を負っている。
生産設備の設計要員とそのメンテナンス要員は増えるが、全体としての人的資源の量は少なくなる。設計要員の質は一定水準を超えなければならない。したがって、中途半端な理系大卒はいらない。メンテナンス要員は、現場で即断して行動しなければならない。通信技術の発達した現在は、メンテナンス要員とオンラインで双方向通信しながら、その中枢部に存在するであろう設備を熟知した集団の支援を受ける。
ここまで書けば、現在の工学分野で多く必要な人材像が明確になる。
アナログエンジニアは、大学がそのニーズに応えているかどうかは、大いに疑問をもつ。就職氷河期と言われはじめて、もう、何年か経過している。しかし、大量生産を行う製造業の、特定に分野なら、自動化に対応できる人材でなければ必要とされる人材にはならないと思う。
さらに言うなら、自動化用の種々のパーツもまた、規格化されて量産規模を上げる工夫がなされている。その世界は、制御技術、センサ技術、アクチュエータ製造技術などがあるが、近年は、そこもまた、ブラックボックス化の進行が著しい。
良いシステムを創るには、そのブラックボックス化の壁を乗り越えて、自分の担当する関連分野にも精通する必要があるだろう。
就職のためのトレーニングを行う以前に、ブラックボックス化の壁を自力で打ち破れるだけの基礎的実力と訓練を受ける場所:それが大学であろう。
数学力が中学レベルでは、工学の神髄を提示する以前の問題であり、大学の名にそぐわない。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】
« 自分の見える世界 | トップページ | 星野写真 »
「工学」カテゴリの記事
- スピードガン(2012.04.24)
- オシロスコープ(2012.04.21)
- 目覚まし時計(2012.04.19)
- 学士製造業(2012.04.12)
- 太陽光発電計測システム(2012.04.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント