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2012年2月13日 (月)

オシログラム

オシログラムはオシロスコープで記録した電子回路の波形図を指す言葉だが、デジタル時代になって以来、記録して(解析しないで)終わってしまうケースが多く見受けられる。

インスタントフィルムで撮影していた時代では、フィルム代が相対的に高価だったので、オシロスコープで観測した波形を、手書きスケッチすることが多かった。

一見、時間の無駄に見える波形のスケッチは、波形を計測するエンジニアが波形を詳細に観察し、その特徴点を定量的に把握するために必要な時間でもあるのだ。

例えば、スイッチング波形:周期、オン時間、オフ時間の数値を波形図に添えて書く。

そしてSWの際に生じるスパイク波形の出る位置の記録、オン時のベースラインのわずかな傾き、前縁、後縁にでる有限の時間、波形の最初と最後に出る事のある振動波形、必要があれば、時間軸を拡大しリンギングの周期、減衰の模様などを書き込む。

いまは、そのような波形の特徴点を調べることなく、記録媒体に残してそのままとなるケースがほとんどである。

波形のスケッチ力は、観察者の技術力の賜物である。

アナログエンジニアは、単に、アナログオシロへのノスタルジーを語るつもりはない。

きちんとした訓練を自己に施さなければ、見えない世界が多くある。

伊達に、アナログオシロそれも高速ではない安価なオシロを使っている訳ではない。

20MHz程度のオシロスコープは帯域が狭いだけに、ノイズレベルが低いのだ。そして、DCレベルのシフト機能を使えば画面の1/1000は楽に分解できる。デジタルは、サンプリング周波数が高くいのでS/N比が悪い。ほとんどの場合、振幅方向の有効画素は256しかない。しかも、±1ドットは常時、ふらついているので、画面縦軸の1/100のノイズを判定できない。

サンプリング周波数以上の周波数成分が含まれていると、サンプリング周波数と信号の高周波成分が低域側に折り返されてくる。例えば、スパイクの高さが周期的に変動する場合、デジタルでは本当に生じているかどうかの判定は難しい。

アナログオシロではトリガが安定にかからず、多重書きの状態になることもあるが、これは欠点ではない。その現象が観測されれば、トリガレベルにした電圧が不規則に変動している場合もある。

いまはほとんど見かけることのないストレージオシロ、これも基本的にアナログオシロスコープで単発現象を観測するに適した機材である。

精密にアナログ回路波形を観測するには、まだまだデジタルオシロは不十分な性能しかない。性能がでる必然性は何もない。

アナログオシログラムをデジカメで電子データと残せる今は特にそうだ。

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コメント

そういえば、昔はデジタルオシロがないかわりに、輝線が残像で残るオシロが確かにあった。単発現象でもディスプレイの蛍光体が光続け、今のデジタルオシロみたいに波形が残っていた。蛍光体を焼切る可能性があるため、慎重に取り扱えと習った記憶がある。だいぶ昔の記憶になっている。

デジタルオシロの利点はGPIBインターフェース等があると、波形データをオシロから読み取ることができることだ。そのため、波形のスペクトル特性等を計算できる。同じものを大量にかつ継続的に測定して特性がOKかどうかのようなルーチン業務ならデジタルオシロがいいかもしれない。

単発を測るオシロはストレージオシロですね。長残光の蛍光体と電子線の組み合わせで、かなり長い時間観測できました。ストレージオシロを知っている方はもうほとんどいないでしょう。

アナログエンジアさん、こんにちは。
ストレージオシロ、懐かしいですね。確か学校に有った様な。実務では、ポxxxドカメラのお世話になりました。波形の細かな観測は、やはりアナログですかね。大まか或いは、データの再利用と言うことでは、デジタルですね。USBメモリに波形を取り込んで、適切な処理の後で、実機に送り込んで、現象の再確認を行なったり出来ますね。

アナログエンジニアさん、こんばんは。
ストレージオシロの機能を使ったスペクトラムアナライザもあった。周波数を横軸に、振幅が縦軸だ。周波数を掃引させながら、レベルを長残光の管面に記録させる。デジタルメモリなどない時代はいろいろ創意工夫でがんばったものだ。

非国民さん おはようございます。
物が便利に安くなると、欲しい機能を探すことが当たり前で、そこに創意工夫する訓練が欠如してくる。原理も見えなくなる:物質的には豊かだが、ある意味、不幸な時代でもある。

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