高校物理
高校物理は大学受験科目の中では、もっとも学ぶには厳しい科目だろう。高校数学の微分・積分を使えば、決して暗記科目ではない。
私は地方の進学校の理系クラスであった。文系クラスの多かった記憶がある。40数年前。
アナログエンジニアは、高校物理を学ぶのにちょうど2年かかっている。最初の一年は独学、使った本は、金原寿郎先生が「私が高校で教えるとしたらこのように教えたい」との旨の序文がある「物理の研究」である。
微積が使えれば、高校物理は、暗記科目にはならない。「物理の研究」はそのように書かれた本である。そして、章末にある東京の進学高校の先生が作成した、多数の演習問題を解いた。
多くの理系人間でも、質点系の力学の後半で躓き、幾何光学は何とかなっても物理光学で苦労し、そして抽象度のより高い電磁気学を放棄するケースが少なからずある。
より効率的に学び、より正確な概念を得るには、高校数学は必要条件である。
高校物理は、測定技術:計測の原点=科学技術の基本になる素養でもある。
電磁気学と数学の組み合わせ:これをこなせる人材がいかに少ないことか!
ここをクリアしなければ、実務で創造する職で力を発揮することは困難である。
いまは、間に合わせの比喩を使った教え方も多くあるが、概念形成にはあまり役に立たないであろう。
今言えることは、物理を必須課目にしない大学の工学部/理工学部は、欺瞞に近く、送り出す学士たちのレベルを担保できない筈である。
『人気Blogランキング』の「自然科学部門」に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】
« 技術の進歩した今 | トップページ | アナログとデジタル »
「教育」カテゴリの記事
- 大学は本当に大学か(2012.04.14)
- 計測無くして科学は無い(2012.03.19)
- 頭の良くなる?マグカップ(2012.03.14)
- 高校物理(2012.03.11)
- アナログ電子回路教育(2012.03.02)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。


この話題に関しては私も思うところがあります。
私も、入試に当たり途中まで物理公式を暗記して試験に挑む姿勢でしたが、微積を使った物理問題の解放に楽しみを覚えたため、その方法に姿勢を変更しました。
しかし、センター試験は時間が短いため微積を使用して解いていたのでは到底間に合いません。2次試験もそもそも微積を用いた解放を禁止している場合すらあります。また、難問題に多いのですが問題を解かせるにあたり微積を使わないように誘導問題を出題去る場合もあります。この場合は、解を覚えていないとどうしようもありません。確かにその方法でも溶けるし、理屈上間違っているはずもないのですが、微積に比べて大変回り道の解き方となってしまいます。本質から遠ざかっているのが今の教育・試験の現状であると思います。
投稿: 1815 | 2012年3月11日 (日) 06時45分