電流増幅器
正確には電流→電圧変換回路で、その基本形は反転形OPアンプ回路の入力抵抗を割愛したものである。回路の形はシンプルだが、実用品を作るとなると結構難しい。
実用的には、微小電流(100fA程度)を電圧に変換するか、ビデオ帯域近く以上の帯域で高速応答させる用途に使うこともある。電子あるいは光センサとともに使う場合には、過渡応答のチューニングが必要なこともある。
OPアンプの入力段は低周波では仮想短絡が成り立つので、2端子電流源の電流を短絡状態で測定していることになる。
多くの教科書では、反転増幅器からOPアンプ回路を紹介するが、電流・電圧変換回路はもっともシンプルな形をもち、OPアンプ回路を理解する上で重要な概念を含む。
しかし、この回路はOPアンプ回路の本質的な理解を要求されるので、丸暗記する回路ではないことも確かである。
アナログエンジニアはこの回路を電流の対数増幅器の基礎と位置付けている。電流対数増幅器はいくつかの回路形式があるが、実用になっているものは電流増幅器形式で、しかも、変換係数の中に物理定数を含む。
リニアにしろ、対数増幅にしろ、多くの精密な光/電子/X線などの電流の検出には、その目的に特化した電流増幅器が使われている。分析機器の装置性能の鍵を握る回路でもある。
私の現役で活動できる期間はあとどのくらいあるのだろうか?それは、まだ見えていない。
多くのセンサ/アクチュエータと精密アナログ回路を扱えるエンジニアは多くない。現在の電子化された機器の中で研究生活を送るのであれば、この分野に無知では居れない筈だろう。多くの事象がセンサ/センサエレクトロニクスに支えられて観測されているのである。
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