著作の意味
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自分が自費出版で無い本を書くと言うことはとても個人にとって重い一大事業だろう。技術書の場合、アナログエンジニアは自分にとってその時々で判りやすい文体と素材で書く。
多くの場合、一番勉強になっているのは、執筆者当人である。また、そうあらるべきだと考える。単独著7冊、共著2冊の計9冊。
最近の本は「アナログエンジニア」によるアナログ電子回路の基礎と入門!これ一冊である。
ISBNコードが割り振られるとき、出版契約が結ばれる。そして、本のないようについて一切の無限責任を著者が負う。文字どうり無限責任である。校正の編集者側のミスであっても著者責任である。自費出版は自分の思いを勝手に綴れば良い。著作権は発生するが配布先が分かている場合が多いので、回収はたぶん効くだろうし、その必要も生じないだろう。
売れなければ、世に頒布する意味がない商品であって、ミスは許されない。結果的に間違えてもその結果責任は著作の範囲で著者が背負う。これが、市販本の技術書の世界であると思って書き続けてきた。
そのようにして見た著作の世界は深い。どこかの軽薄な政治家の言とは異なる。私は、1冊の本:同業者のインチキ引用を即座に見破れる程度の余裕を持って書いている。
図は回路図であっても非常に時間がかかる。そして、従来の本とは異なる解説手順で本を構成している。組織の内側に属している人間には書けない本でもある。
組織に縛り続けられた操り人形にはなりたくないと考える次第である。その人形がたとえ宰相であるとしてもだ。
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コメント
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こんにちは。いつも仕事の昼休みに拝見しています。
先生の最新著書「これ一冊!」は既に発売日に購入済みです。非常に期待、楽しみでした。
全体を概観し、詳細はこれから紙と鉛筆で読破し理解していくつもりです。
私は先生の1作目、コロナ社の「アナログ回路設計入門」も持っていますが、今作は1作目をベースとし、より初心者に分かり易くしたものですね。ただしオペアンプとトランジスタ回路の章順番が逆な点は個人的に斬新で、トランジスタ回路から入るよりも自然にアナログについて学べる感じがしました。
私は現在、数kW程度のパワエレ(電源)を中心とした設計開発業務を行っています。最新著書は、電源について詳しく書かれているので、この構成はとても有益です。
ただし、1作目に比べ演習問題が少ないのが少々残念でした。
私は手を動かして多くの演習を解くことが理解の早道になると思っていますので、次回作(? 是非とも応用編)も期待しています。
実際にSPICEを使ったシミュレーション手法、演習課題などもあると更に内容充実するのかと思いました。(本が分厚くなってしまいますね)
投稿: 拳王 | 2012年4月17日 (火) 12時40分
シミュレーションや演習はあえて載せていません。同じ問題を解くことは私の場合一度も経験していません。基本的課題を自分で見つける能力・感性を身につけることがアナログ回路では最大の課題であるからです。
投稿: 5513 | 2012年4月17日 (火) 13時51分