3世代
組織は少なくとも3世代を経過しないと、その体質は変わらないとアナログエンジニアは考えている。なぜなら、組織内で評価されるには、組織に自分を合わせる必要があり、その過程で自分の志が変わっていくからである。
その典型例が官僚組織であろう。いまの官僚は、自分の属する省庁の権限拡大と先輩の天下り先の確保のために法律をつくり、産・官・学を動かす。
自分を貫く有志は亜流しかなれない。
みんながこぞって、組織のために動けば、非効率的な矛盾に満ちた社会が生まれる。
国のお金は無限にあるわけではない。そして他国との相対的力関係により厳しく評価される。学は、資金の大半を間接的な場合もあるが、文科省を通じた金に頼っている。
国力に見合ったことをやるべきだが、xxx機構という名の下に何も変わっていない。その結果が、物つくりの競争力の喪失である。
資源なしなどの条件のよく似た隣国である韓国には最先端技術である半導体の多くの分野で凌駕された。他の分野でも追い抜かれつつある。正規の勤務時間は長く、儒教の伝統もある。
国内に目を向けると、多機能化・高機能化の名のもとに、信頼性の低いそして基本機能は低価格品と変わらない製品が出回っている。もう日本には基本機能を抜本的に改良する力はないだろう。
なにせ、物つくりの本質に迫れる感性と知恵を持った人材を育成できる教授者がほとんどいないからである。
東京大学でさえ、物理の補習を行っていると聞く。そして、外国人留学生を確保するため秋入学を推進している。
昨今の就職戦線の激化?は学士の品質の低下の表れでもある。院生のほとんどは企業に就職するが、研究者としての訓練は多少受けているものの、臨機応変さ・興味の幅が極端に狭い。物つくりに役立つセンスの持ち主ではないのだ。
落日の日本、そのときがまもなくやってくるだろう。
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コメント
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少し話題と違いますが、慣例性があると思われうる事があります。私は半導体の研究所でディスクリートデバイスの開発に従事していますが、部署の特徴故かプロセス屋とデバイス屋が圧倒的に多いです。このこと自体はいいのですが、成果評価が論文や学会発表に偏っています。その弊害か、バンド計算などは得意ですが、FETの基本的な使い方も分からずにFETを開発しています。自動車免許も持たない人間が自動車を設計しているような物です。そのため、あとから信頼性含め耐圧など問題となることが多いです。また、計測に対する評価が非常に低く、デバイスの性能は半導体パラメータアナライザを買ってきて計れば良いという考えです。最先端のデバイスは既存の計器でおいそれとは特性を評価できないことも多く、汎用の計測機器だけでは必要な計測そのものが無理な場合もあります。このため、私は自分で計器を設計しますがこれらは評価の対象になりません。悪い意味での専門家が非常に多いです。この様な一部の技術に特化した体制が、最終的な製品の出口をおろそかにして、投入した開発費を無駄にする要因と考えています。日本は部品メーカーはまだ強いですが、裏を返すと部品メーカーでしか生き残らないのはこの様な理由だとも思っています。
投稿: 1815 | 2012年4月21日 (土) 04時43分
1815さん
部品メ-カーもかなり厳しいですよ。汎用品で負け始めているので、足腰が弱り始めています。部品メーカー間で連携をとり始めていますが、今日速力回復には至っていません。
投稿: 5513 | 2012年4月21日 (土) 09時40分