フィールドスコープは地上用の望遠鏡で、野鳥観察や夜空の観望におもに使われる。
対物レンズ径D=60mmの望遠鏡の理論分解能は約2秒角。有効最低倍率は0.15D(mm)でD=9倍、最高有効倍率はD(mm)程度である。この範囲の中間程度の倍率の接眼レンズを備えているなら、まともなメーカーの必要条件を満たすことになる。
2秒角:ざっと言えば、100m先のM3のねじ頭の形状が、+、-、六角がはっきりと見分けられれば、良質なものと言える。
アナログエンジニアは広い見かけ視界でかつ、アイレリーフの長い接眼レンズ付きの物を好む。眼鏡を掛けているので、接眼レンズと目の距離が長くても良いアイレリーフ15-20mmの物を選択する。見かけ視界が広ければ、狭い除き穴から見るのではなく、肉眼のほぼ視野全域が一度に見える。
なるべく低倍率の物を選ぶ。私のアーチェリーの矢の着弾観察用のフィールドスコープはφ60mm、30倍、見かけ視界70°の物である。これで、30m先の80cmの的全域を観察でき、かつ、90m先の矢筈と羽の色を見分けることが出来る。
アポクロマート品、防水仕様、傾斜形の国産の最上級品である。高いことは高いが、既に元が取れくらい使った。ここまでの性能は必要ないが、一生に一度はこのような光学製品を使ってみたかったのだ。
最悪は、ズーム接眼(視野が狭い、暗い)付きの高倍率品のものだ。そして、反射防止膜が手抜きされている場合もある。そして、アイレリーフも短い。最悪だ。
注意しなければならないのは、同じメーカーでも、超廉価版と高級品を品そろえしている場合、中級品以上の選択が良いと私は考えている。
特殊な用途で無い限り、アクロマート(2点色消し)で十分である。
ちなみに、もう一台のフィールドスコープは、直視型、アクロマート、φ52mmで接眼レンズを広角、低倍率品に代え、18倍の倍率に落としてある。付属の手持ち用グリップを使うと、18倍でもさしてぶれることはない。
低倍率、広視野の光学設計は難しくかつコストも上がるので、良心的に製作するつもりがなければできないフィールドスコープである。
良質なアクロマートフィールドスコープで対物レンズ径φ50mm低倍率品で、月のクレータなどは明瞭に観察でき、かつ、アダプタを追加すれば、月を画面いっぱいにコンパクトデジカメで撮影もできる。
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